2015年08月11日

リヒテルのブラームス:ピアノ協奏曲第2番(ラインスドルフ)、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



このCDの音源はリヒテル・アメリカ・デビュー盤のひとつとしてLP時代から評価の高いものだった。

過去にはラインスドルフ&シカゴ響とリヒテルの爆演のように言われたこともあるが、良く聴いてみるとシカゴ響はラインスドルフによって非常に良くコントロールされていて、力強いが野放図な音を出しているわけではなく、リヒテルも決して力に任せて対決するような姿勢ではない。

そこには極めてスケールの大きい音楽的な構想を持ったピアニズムが展開されていて、両者の張り詰めた緊張感の中に溢れるほどのリリシズムを湛えた演奏が感動的だ。

またリヒテル壮年期の水も漏らさぬテクニックの冴えもさることながら、第3楽章を頂点として随所にあらわれる抒情の美しさが如何にもリヒテルらしい。

一方ここにカップリングされたベートーヴェンのピアノ・ソナタ『熱情』は同年にニューヨークのカーネギー・ホールで録音されたもので、当初はもう1曲の『葬送』と共にリリースされた。

この2曲のソナタは2004年にXRCD化もされているが、リヒテルの凄まじい集中力と緊張感の持続が恐ろしいほど伝わってくる。

彼自身はこの演奏を嫌って失敗作のように言っていたが、音楽的な造形からも、またその表現力の幅広さと強烈なダイナミズムからもベートーヴェンに相応しい曲作りで、本人ならともかく、あらを探すような次元の演奏ではないと思う。

1960年にリヒテルはアメリカにおいて一連のセッション及びライヴから当地でのファースト・レコーディングを行っているが、このCDに収められている2曲もその時の音源で、リヴィング・ステレオの良質なマスターが今回のDSDリマスタリングによって更に洗練された音質で蘇っている。

ソニー・クラシカル・オリジナルスは古い音源を最新の技術でリマスターして、それまでのCDとは異なった音響体験を提案している興味深いシリーズだが、何故か音源によってリマスタリングの方法が違う。

このCDではSACD用のDSD方式が採用されているが、同シリーズの総てのCDと同様レギュラーのCDに収めてあり、ミドル・プライスで提供しているのがメリットだ。

音質は鮮明で協奏曲ではシカゴ・オーケストラ・ホールの音響空間もよく再現されている。

またピアノも潤いのある自然で艶やかな音色が特徴で、オーケストラとのバランスも理想的だ。

尚ライナー・ノーツは10ページほどでLP初出時のオリジナルの解説が英、独、仏語で掲載されている。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:39コメント(0)トラックバック(0)リヒテル | ブラームス 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ