2015年08月13日

フルトヴェングラーのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』(E・フィッシャー)、交響曲第5番(ウィーン・フィル)[SACD]


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リヒャルト・シュトラウス、ワーグナーに続くプラガのフルトヴェングラーSACDシリーズ第3集は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』及び交響曲第5番ハ短調『運命』の2曲である。

前者がエドヴィン・フィッシャーのソロ、フィルハーモニア管弦楽団による1951年ロンドンEMIスタジオでの収録、後者がウィーン・フィルとの54年ウィーン・ムジークフェラインにおけるいずれもセッション録音になる。

初めてのSACD化ではないが、妥当な価格のハイブリッド盤でどれだけの音響が再生されるか興味があったので聴いてみることにした。

ジュエル・ケース裏面にHMVのLPからのリマスタリングと表記されているが、板起こし特有のスクラッチ・ノイズは一切聞こえない。

レコーディング技術に疎い筆者にはレーザーで読み取らせたものなのか、あるいはノイズが処理されているのか分からないが、かなり鮮明な音質が得られていることは確かで、また全く破綻がないのも古い音源の鑑賞にとっては好都合だ。

音場の拡がりから元になったLPが擬似ステレオ盤だったことが想像されるが、SACD化によって平面的な音響が回避され、いくらか奥行きも感じられるようになっている。

前回のワーグナーの音質がやや期待外れだったが、今回はかなり肯定的な印象を持つことができた。

それぞれの演奏については既に語り尽くされた名盤なので今更云々するつもりもないが、『皇帝』ではエドヴィン・フィッシャーのピアノの響きにクリスタリックな透明感が加わって演奏にそれほど古臭さを感じさせない。

確かに両者のテンポはかなり流動的で、部分的に聴くと大時代的ロマンティシズムのように思えるが、全体を通して鑑賞するのであれば彼らの音楽の普遍的な価値を見出せるだろう。

『運命』に関しては10種類以上の異なった演奏が存在するが、このウィーン・フィルとのセッションは、彼としては比較的冷静でテンポの変化もそれほど目立たない。

しかし音楽設計はさすがに見事で、テーマやモチーフの有機的な繋がりやその再現、楽章ごとの対比と全楽章を結束させる大詰めへの手腕は鮮やかだ。

派手なアピールはないが晩年のフルトヴェングラーの解釈を示した重厚なベートーヴェンと言える。

音質的には弦楽器群の音色が瑞々しく、時折聞こえる生々しい擦弦音も臨場感を高めている。

英、仏語による11ページの簡易なライナー・ノーツ付。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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