2015年08月20日

ヘッツェル&マゼールのバルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番、他


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



1992年夏に惜しくも事故で亡くなったウィーン・フィルの名コンサート・マスター、ヘッツェルの記念アルバム。

1984年のザルツブルク・フェスティバルのライヴで、やや解像度に欠けるが歴としたステレオ・デジタル録音。

ヘッツェルは衝撃的なアタックは避け、いつもの彼の流儀に従って実に流麗な曲作りを試みている。

迫力で押しまくる演奏ではないので、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番としては意外な印象を受けるかも知れないが、聴き込んでいくに従ってその味わいの深さが堪能できる。

ヘッツェルの演奏を聴くと作曲家が取り入れた民族色が見事に普遍的な音楽に昇華されていることにも納得できるし、第1楽章後半のカデンツァや終楽章の超絶技巧も、これ見よがしの押し付けがましいものではなく、あくまでも洗練された音楽性に則った技巧が冴えている。

また第2楽章のヴァリエーションでの高貴とも言えるカンタービレの美しさも、ヴァイオリンを歌わせる楽器と心得ていたヘッツェルならではの表現だ。

一方モーツァルトのディヴェルティメントは1983年の同音楽祭のもので、気さくな雰囲気の中に演奏者自身が楽しんでいるのが目に浮かぶような、まさにウィーン室内ならではの持ち味が出色の演奏だ。

ヘッツェルが遺した録音は、ウィーン・フィルやウィーン室内のコンサート・マスターとしてはかなりの量にのぼるが、純粋なソリストとしてはそれほど多くない。

勿論彼が1992年に不慮の事故死を遂げなければ、計画されていたモーツァルトとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集も完成していたであろう。

バルトークに関しては特別な愛着を持っていたためか、このライヴの後も1991年にアダム・フィッシャーとのセッションで全2曲のヴァイオリン協奏曲をニンバス・レーベルに録音している。

それは彼の父親がハンガリー人だったからかもしれない。

いずれにせよ、このCDではウィーン・フィルが強力にバックアップしているのが特徴だ。

マゼールもこのオーケストラとは良好な関係にあった時期のもので、彼の鮮やかな棒捌きも聴き所のひとつだ。

またヘッツェルをコンサート・マスターに迎えていたウィーン・フィルの余裕さえも感じさせる。

この時代には彼だけでなく、クラリネットのプリンツ、フルートのシュルツそしてホルンのヘーグナーなど際立った演奏家が首席奏者に名を連ねていた頃で、ウィーン・フィルにとっても幸福なピリオドだったと言える。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:40コメント(0)トラックバック(0)マゼール | バルトーク 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ