2015年08月26日

ロザンタール&フランス国立歌劇場管(パリ・オペラ座管)のドビュッシー:作品集[SACD]


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プラガ・デジタルスからリリースされているSACDの管弦楽曲シリーズでは最新盤の1枚で、音源自体は1957年及び58年にオープン・リール磁気テープに収録された半世紀も前の古いステレオ録音だが、今回のDSDリマスタリングによって極めて鮮やかな音質が蘇っている。

楽器ごとの解像度、音響の広がりや高音の伸びも満足のいくもので、特にこのディスクに収められたドビュッシーでは、指揮者ロザンタールがオーケストラから醸しだすカラフルな光彩と移り行く陰影の妙が、作曲家のオーケストレーションを通して見事に映し出されている。

玉石混交のこのシリーズのSACD化では優れたサンプルとして高く評価したい。

本盤に収められているのは、ラヴェル最後の直弟子で、指揮者、作曲者として名を残すロザンタール(1904-2003)によるドビュッシー作品の録音集で、いずれも1957〜59年頃の録音。

ロザンタールはクリュイタンスよりひとつ、マルティノンより6歳ほど年上の生粋のパリジャンで、99歳の長命を全うしたために現在活躍中のアーティストとの協演も残しているが、彼はまた作曲家やアレンジャーとしての活動にも積極的であったことから、指揮者としては彼らに比較してそれほど知名度が高くないのも事実だろう。

しかし近代フランスものでは映像的な情景描写が巧みで、まだこの時代には濃厚に存在していたフランス趣味を満喫させる能力を縦横に発揮している。

交響詩『海』、『遊戯』、『夜想曲』そして『マルシュ・エコセーズ』のどれをとっても音色のブレンド、ディナーミクの変化をフルに使った音響や、テンポの運びの意外な移り変わりはロザンタールの指揮法の秘訣だが、オーケストラのパリ・オペラ座管弦楽団も現在では失われつつある暖色系の音色と、柔軟で微妙なニュアンスを表現し得た、当時の彼らの流儀を充分に披露している。

それには勿論自国の作曲家の作品という強みもあるに違いないが、こうしたドビュッシーの響きには現代では得がたい味わいがある。

また、指揮者として活躍しているセルジュ・ボドの父親の、オーボエ奏者エティエンヌ・ボドが奏でるイングリッシュ・ホルン(「雲」)にも注目。

『春の挨拶』と『祈り』では前者にソプラノ・ソロと女声コーラス、後者にはテノール・ソロと男声コーラスが伴うが、声楽の明るさと低音が薄手の軽やかさは、ひとつ間違えば軽佻浮薄に思えるほど一見つかみどころのない特有の感性がある。

しかしそれがフランス印象派の持ち味でもあり、また楽しむべきところなのかも知れない。

光彩と陰影の妙といったまさしく印象派絵画を思わせる色調表現、また、当時のフランスのオーケストラ特有のヴィブラートの効いた管楽器の音色など、古きよきフランスのオーケストラを堪能できる1枚である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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