2015年08月27日

カルミニョーラ&ダントーネ(アカデミア・ビザンティーナ)のヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集


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このCDに収録された6曲のヴァイオリン協奏曲は、指揮者であり、ピリオド楽器のアンサンブル、アカデミア・ビザンティーナを率いるチェンバリスト、オッターヴィオ・ダントーネによって選曲された作曲家晩年の作品で、手稿譜からオリジナルの形を復元したスコアを使っているところに特徴がある。

250曲にも上るヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲は、彼自身によって校訂された出版譜は少なく、当時から手を加えられたり、改作されたものが氾濫していて本来の原曲の美しさが歪められてしまっているようだ。

ライナー・ノーツの冒頭に紹介されている1739年のベンティヴォッリォ侯爵宛のヴィヴァルディの書簡には、自分の作品への音符の勝手な変更や如何なる改竄をも一切禁じることが殆んど怒りと軽蔑を持って書かれている。

ここではダントーネの研究者としての注意深い楽譜校正によって、これらの曲がソロ・ヴァイオリンのみならず、弦楽合奏や通奏低音の部分にも作曲家が指示した曲想やディナーミクを忠実に辿りながら再現を試みている演奏に面白みがある。

アカデミア・ビザンティーナのサポートもかなり積極的で、鮮烈な音質が相俟って低音の強調やバロック特有の深い明暗の対照、大胆で動的な楽想が浮き彫りになって、ヴィヴァルディ晩年の音楽観を知る上でも興味深い。

ちなみにRV281ホ短調及びRV187ハ長調の2曲はオリジナル版の演奏で、またRV283ヘ長調は世界初録音になる。

特に後者の第3楽章では短いながらカルミニョーラの弾く華麗なカデンツァが聴きどころだ。

カルミニョーラはダントーネの解釈に従って、極めて多彩な表現でヴィヴァルディの協奏曲の華やかさや、また時にはアグレッシブな奏法でその劇的な特徴を良く捉えているが、毎回オリジナル楽器の音を堪能させてくれるのが楽しみのひとつでもある。

今回このセッションに使われたヴァイオリンは、1739年に製作されたボローニャの名工ヨハネス・フロレーヌス・グィダントゥスの手になるもので、その明るい音色や高音の輝かしさ、幅広い表現力などは如何にもイタリアの名器らしい。

時代的にはストラディヴァリウス直後に活躍した工匠で、ヴァイオリニストにとっては一度は手にしてみたい楽器のようだ。

尚ピッチはa'=415Hzで現在より半音低いスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

2012年6月の録音で音質は極めて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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