2015年10月15日

グールドのシェーンベルク:ピアノ作品全集


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カナダの鬼才グレン・グールドは、バッハと並んで新ウィーン楽派、中でもシェーンベルクに傾倒していた。

その熱い傾倒ぶりは本作で聴くことのできる一連の独奏曲のほかにも、グールドはシェーンベルクが書いたピアノを含む作品を、協奏曲、室内楽曲、歌曲にいたるまで録音していたことからも窺えよう。

これについては彼自身の著書で、10回に亘るラジオ放送番組のためにまとめられた『ラ・セリー・シェーンベルク』を読むに越したことはないが、単純に言って彼はある一定の厳密なルールに基いて構成される音楽や、そこから生み出される音響に強い関心を持った演奏家だったと言えないだろうか。

それによって彼の対位法への探求、特にバッハに捧げた無類の情熱も説明できるだろう。

ここに収録されたシェーンベルクのソロ・ピアノのための6曲の作品全集は、作曲家の無調から12音技法に至るセオリーがグールドによって高度に具現化されたアプローチだと思うし、また現代音楽への入門者にもその鮮烈な音響を体験する意味でも是非お薦めしたい1枚だ。

グールドの明晰なタッチは、作品の多層的な響きを解きほぐし、シェーンベルクの音世界を清新に表現している。

『ピアノ組曲』作品25でシェーンベルクはバロック組曲の形態を借りて12音技法で作曲しているが、グールドはこのようなクロスされたセオリーに嬉々として挑戦し、そこに独自の表現と奏法を発見している。

また『5つのピアノ曲』の「ワルツ」でもリズムにその舞踏の片鱗を留めさせながら、人間の感情の発露とは対極にある怜悧な完全主義者の思考回路を巧妙に反映させた演奏が秀逸だ。

1958年から65年にかけてニューヨークのスタジオにおいてステレオ録音された音源で、音質は極めて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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