2015年08月31日

ハイティンクのワーグナー:歌劇「タンホイザー」


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ハイティンク初のワーグナー/オペラで、1985年1月、ミュンヘンのヘルクレスザールに於けるスタジオ録音。

ハイティンク指揮バイエルン放送響は、ケーニヒ(T)のタンホイザー、ポップ(S)のエリーザベト、ヴァイクル(Br)のヴォルフラム、メイアー(S)のヴェーヌスといった具合に、若手を中心に組んだキャスティングだが、録音が素晴らしく、ハイティンクの円熟を窺わせるに足る名演と言えよう。

オペラ指揮者としてのハイティンクも、重視しなくてはならない。

ハイティンクの指揮は、実に明快にこのオペラの魅力を表現している。

コンサートでも共通して言えることだが、1980年以降になってからのハイティンクは、堂々とした風格と確信にみちた表情で聴き手を圧倒する。

真摯な作品への取り組みで知られるハイティンクだが、ここでも端正な造形に支えられた精緻極まりない管弦楽美が楽しめる。

必ずしもめざましい演奏でなければならないとは限らない。

念入りに、過度な興奮なく演奏されるとき《タンホイザー》はこういう魅力を発散するのだ、という演奏が聴ける。

最近のハイティンクは、彼独特の陰影の深い、濃厚な色調をつくり、それが多様なグラデーションを伴って、堅実で気宇の大きな音楽を歌うが、その密度の濃い、骨格のたくましい設計と壮大な高揚がある。

やはりハイティンクの音楽が、意外なほど強靭の個性をもっていることに、改めて感心させられた次第であるが、現在のハイティンクには、まさにその個性が何物をも恐れずにあらわれている。

なるほど、アムステルダム、ウィーン、ベルリン、ボストン、バイエルン、シカゴと場所によっての違いはあるが、よい指揮者が楽団の固有の性格や響きを尊重するのは当然で、ハイティンクも例外ではない。

とはいえ、どのオーケストラの演奏も間違いなくハイティンクの響きであり、音楽である。

ここでもバイエルン放送響の、きわめてドイツ的な、いぶし銀のような響きが前面にあらわれた演奏に仕上がっている。

上記の歌手陣も大変充実しており、ケーニヒはライト級の声が多くなった昨今のヘルデン・テノールの中では珍しく重厚でドラマティックな歌を聴かせ、ポップの透明清純なエリーザベトもよい。

とりわけ、モルの深々とした美声による全人的な役作りと、ヴァイクルの滋味あふれる柔軟で人間的な歌唱も特筆ものだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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