2015年09月01日

パイヤールのバッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)


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ジャン=フランソワ・パイヤールがこの協奏曲集を録音したのは1973年で、現在でこそバロック音楽の演奏形態では主導権を握っているピリオド楽器のアンサンブルは、当時はまだ古楽の再現を模索していた時代で、ごく一部の聴衆しか獲得していなかった。

その頃既に全盛期を迎えていたのがモダン楽器による演奏だった。

その草分け的な存在がパイヤール室内管弦楽団で、ジャン=フランソワ・パイヤールによって1953年に創設されたジャン=マリー・ルクレール器楽合奏団を母体として59年に結成された。

彼らの品のある大らかなサウンドはバロック・ブームの隆盛にも大きく貢献したが、中でもソリストに名手を揃えたバッハのブランデンブルク協奏曲集は一世を風靡した画期的な録音だった。

リヒター、ミュンヘン・バッハ管弦楽団のような厳格に統率された厳しさこそないが、より開放的で屈託のない表現と垢抜けた音響に惹かれたファンも多かった筈だ。

ここに彼らの演奏をお薦めするのは懐古趣味ではなく、一時代を築いた音楽家達の情熱とその洗練を極めた演奏に聴くべき価値があると思うからで、難解な理論を振りかざすことなく常に彼らの柔軟な感性に沿って平明な音楽の再現に務めた姿勢は、忘れ去られてしまうには余りにも惜しい。

その後モダン・バロックの衰退と共にパイヤールも他のレパートリーを開拓することになるが、この6曲は彼らが頂点にあった頃の演奏を刻んだ贅沢な記録でもある。

廉価盤なのでリーフレットに曲目データ、演奏者とアンサンブルについての簡易な紹介が印刷されているだけだが、幸い音質は良好な状態に保たれている。

当時の話題のひとつが第1番の第1ホルンをモーリス・アンドレが吹いていることだった。

第2番で彼はピッコロ・トランペットを演奏しているが、このあたりのキャストにも融通性があり、彼のホルンもなかなかの熱演だ。

また第3番第2楽章の即興による短いカデンツァと第5番のチェンバロ・ソロはアンネ=マリー・ベッケンシュタイナーで、彼女はパイヤールの通奏低音奏者としても個性的なモダン・チェンバロの響きを聴かせている。

その他にもフルートのランパル、オーボエのピエルロ、ヴァイオリンのジャリなど当時のフランスの名手を揃えたオール・スター・キャストのスタイリッシュな演奏を楽しむことができる。

尚第1番でバッハが指定したヴィオリーノ・ピッコロは通常のヴァイオリンで、第2番と第4番の笛のパートはリコーダーではなくベーム式フルートで、そして第6番のヴィオラ・ダ・ガンバのパートはチェロで演奏されている。

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classicalmusic at 20:42コメント(0)トラックバック(0)バッハ | ランパル 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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