2015年09月07日

クレヴェンジャーのモーツァルト:ホルン協奏曲全集


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このCDはマルティノン、ショルティ、バレンボイムそしてムーティに至る時代のシカゴ交響楽団首席ホルン奏者を実に47年に亘って務め、独奏者・室内楽奏者としても多彩な活躍ぶりを見せるデイル・クレヴェンジャーが、1987年にハンガリーで録音したモーツァルトのホルンのための作品集が収録されている。

ヤーノシュ・ローラ指揮、リスト室内管弦楽団との協演で4曲の協奏曲及びホルンと管弦楽のためのコンサート・ロンド変ホ長調K.371を収録している。

クレヴェンジャーは今更云々するまでもないシカゴの至宝的ホルニストだが、オーケストラの一員としての演奏活動に情熱を持ち続けたこともあって、その実力と長いキャリアに比較してソリストとしての単独録音はそれほど多くない。

因みにモーツァルトの協奏曲ではこの他にアバド、シカゴ響との第3番がある。

クレヴェンジャー貴重なソロ・コンチェルト・アルバムであり、男性的で深みのある音色に加えて、高音からペダル音まで実にバランスよく磨き抜かれた鋭敏な吹きっぷりが見事な1枚。

協奏曲第1番ニ長調K.412でクレヴェンジャーはバルブ機能を持たないナチュラル・ホルンを使っているために、ゲシュトップ操作を頻繁にしているのが聞こえる。

当然その都度楽器内部の圧力や体積の変化によって響きも音量も微妙に変わってくるが音程の取り方は正確無比で、音楽の流れを止めない芸術的な演奏テクニックは流石だ。

ナチュラル・ホルンでの全曲演奏はヘルマン・バウマンの他にも現在までに数種類の選択肢があり、特筆すべきことではないかもしれないが、クレヴェンジャーがこうしたピリオド楽器にも熟達した腕を持っていたことを証明している。

クレヴェンジャーの音は狩猟ホルンをイメージさせる特有の野趣と直線的な力強さがあり、数多く存在するモーツァルトの協奏曲集の中でも、良い意味で芯のある硬派的な演奏の代表格だろう。

コンサート・ロンド変ホ長調については1989年に欠落していた中間部60小節が再発見されたが、それはこの録音の後のことで、当然彼らは旧復元版を演奏している。

またそれぞれのカデンツァでクレヴェンジャーは低音から高音に至る広い音域をカバーする滑らかな音の推移や、アルペッジョの速いパッセージを安定した奏法で模範的に披露している。

ローラ指揮、リスト室内管弦楽団の軽快でソロを引き立てたサポートも好感が持てる。

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classicalmusic at 22:48コメント(2)トラックバック(0)モーツァルト  

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コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2015年12月03日 09:50
今朝、R.シュトラウスとセットで聴きました。テクニックは、デニス・ブレインと同等以上に思いました。ナチュラルホルンも完璧で。デニス・ブレインもナチュラルホルンのデモはありとネットでは見ましたが。音色は、ベーム指揮ヴィーンフィルだとソロが融けすぎるかなとも思いいい感じです。クルト・ザイフェルトに音色は、近でしょうか。音色も個人的には1番好みです。ヴィエナホルンは、室内楽や、ブラ1、チャイ5、くるみ割り人形、グレの歌の各ソロは、好みですが、協奏曲は幾分明るめの方が好みのようです。
2. Posted by 和田   2015年12月18日 01:24
クレヴェンジャーは名技集団シカゴ響の首席ホルン奏者を務めただけあって、さすがにテクニックは完璧で、音楽性も申し分ないでしょう。
ただ伝説のホルニスト、ブレインの高貴な佇まいと角のない技巧は素晴らしく、史上最高の奏者だったと思います。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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