2015年09月08日

ロストロポーヴィチ/ア・ロマンティック・ポートレイト[SACD]


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若き日のロストロポーヴィチがEMI、ドイツ・グラモフォン及びメロディアのそれぞれのレーベルに遺したステレオ音源をSACD化した1枚で、ドヴォルザークが1957年、シューマンが60年、そして最後のチャイコフスキーが64年の古い録音だが、いずれも素晴らしい音質で蘇っている。

中でも1曲目のドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調は、ロンドンのアビー・ロード・スタジオでの収録だが、当時本格的なステレオ録音を開始したばかりのEMIが最新の技術を導入し、エンジニア達も如何に気合の入った仕事をしていたかを証明している。

その後のEMIの低迷ぶりが信じられないくらいだ。

その他の2曲も極めて良好な音質だが、チャイコフスキーのみはモスクワでのライヴから採られていて演奏終了後に拍手が入っている。

さてロストロポーヴィチの演奏だが、これはこれで鑑賞のための立派な選択肢であることに異論はないが、あくまでも個人的な好みとしては最後のチャイコフスキーを除いて多少解釈への厚化粧が気になった。

それは彼の基本的な奏法なのだろうが、あらゆるテクニックを使ってフレーズの隅々まで良く歌わせて、必要とあらばテンポを落として音楽の流れを止めることも厭わない。

だから時として作品の原形がはっきり見えなくなってしまうことが無きにしも非ずだ。

特にシューマンの協奏曲は、青春の息吹きの迸りのようなフレッシュな感性が要求される。

この演奏は確かに大家風で堂々としているが最近聴いたシュタルケル、クーベリックのライヴがまさに筆者が求めていたものだったので、それに比べてこちらはやや拘泥している印象が拭えない。

エイドリアン・ボールトもロジェストヴェンスキーもソロを最大限活かしてオーケストラを良く従わせていることは高く評価したい。

チャイコフスキーのチェロと管弦楽のための『カプリッチョ風小品ロ短調』は『ロココ風の主題による変奏曲』と同様ソリストのヴィルトゥオーシティが聴かせどころの、言ってみればアンコール用ピースなので大上段に構えた音楽性を云々する余地は少なく、かえってロストロポーヴィチの鮮やかなテクニックをダイレクトに伝えていて好感が持てる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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