2015年09月10日

サヴァリッシュ&フィラデルフィア管のドヴォルザーク:交響曲第7番、チェロ協奏曲(グードマン)


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サヴァリッシュへの追悼として聴き直したCDのひとつで、ドヴォルザークのチェロ協奏曲に対して大上段に構えた演奏ではなく、曲想のきめ細かさやリリカルな特性を精緻に追ったチェリスト、ナターリア・グートマンの解釈が秀逸。

サヴァリッシュのサポートも巧みで、オーケストラの響きは美しく、壮麗で力強く引き締まっており、サヴァリッシュの指揮も気力が充実して、両者のハッタリのない知性的な協演に好感が持てる。

全曲のあらゆる部分にグートマンの高度なテクニックが冴え渡っているが、常に節度を保ちながらツボを外さない演奏は如何にも彼女らしい。

ただしこの曲に民族的な熱血感や迫力を求める人には期待に沿わないだろう。

第2楽章では素晴らしい抒情と彼らならではの静的だが溢れ出るような瑞々しいペーソスが支配している。

サヴァリッシュもここでは一層注意深くフィラデルフィアを制御してグートマンのソロを効果的に引き立てている。

チェロと木管楽器の絡み合いは永遠の憧憬を追うような美しさを持っている。

終楽章では迸るような軽快さとメリハリのあるダイナミズムで、ソロとオーケストラの華麗な協演が繰り広げられ、決してスケールの小さい演奏でないことを証明している。

カップリングはドヴォルザークの交響曲第7番で、実はこちらの方が第1曲目として収録されているのだが、リイシューのときに同じドヴォルザークの『交響的変奏曲』に替わってリカップリングされたものだ。

この曲でもアメリカ的で開放的なパワフルなサウンドが聴けるかというとそうではない。

サヴァリッシュは金管楽器を注意深く抑えて、弦楽器や木管楽器を巧みに前面に出している。

余裕のあるパワーは充分に感じられるが力で押す演奏ではなく、あくまでもバランス技で絶妙な均衡を導く指揮が彼の流儀だ。

純度の高い表現であり、推進力が強く、軽快なリズム感によって勢いのある音楽を聴かせてくれる。

またインターナショナルなメンバーによるセッションなので、強烈な民族性というのも期待できないが、逆にこの曲を総合的に見極めた、洗練されたより古典的な美しさが特徴だろう。

1990年代初めのデジタル録音だが、全体的にやや切れが悪い音質に弱点がある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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