2015年09月11日
アルバン・ベルクSQのコンピレーション・アルバム
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解散して久しいアルバン・ベルク四重奏団の演奏活動が最も充実していた1979年から2000年にかけての演奏集を5枚のCDにまとめたセットで、当時彼らが契約していたEMIへの音源からピックアップされている。
こういうコンピレーション・アルバムではEMIはしばしば楽章ごとに抜粋したサンプラー的な編集をするが、幸いそれぞれの曲を全曲収録している。
勿論このセットに収録された曲目は殆んどが現行でも入手可能で、製造中止になっていたメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲は第1番と共にワーナーからミドル・プライスでリイシューされた。
だからABQのファンであれば特に珍しいレパートリーとは言えないが、今ではメディアを通してしか鑑賞できなくなってしまった彼らへの、タイトル通りのオマージュとして感慨深いものがあるし、また若い世代の室内楽入門者にも是非お薦めしたい。
アルバン・ベルク四重奏団は1970年に結成されて以来2008年に解散するまで実に38年間に亘って活動を続けた。
この間に第2ヴァイオリンはクラウス・メッツルからゲルハルト・シュルツに、ヴィオラはハット・バイエルレからトマス・カクシュカに、そしてカクシュカが亡くなった後はイザベル・カリシウスというメンバーの交替はあったが、第1ヴァイオリンでリーダーのギュンター・ピヒラーとチェロのヴァレンティン・エルベンは、まさにこのアンサンブルに半生を捧げた貢献者と言えるだろう。
離脱したメンバーにもそれぞれ長所があったのは勿論だが、彼らの活動期間の中でもシュルツ、カクシュカの2人が内声を支えていた78年から2005年までがこの四重奏団の実質の黄金期で、この間に彼らの最も先鋭的な2種類のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集、モーツァルトやハイドンの同曲集が録音されている。
また鮮烈な解釈を示したヤナーチェク、バルトーク、ラヴェル、ベルク、ストラヴィンスキーやリームなどの20世紀の作品群では、彼らの演奏への使命感さえ感じさせる強い情熱と同時にクールで洗練された切れの良い演奏が特徴だ。
セッション、ライヴが入り混じっているが、いずれも音質は極めて良好で充実した鑑賞ができる。
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