2015年09月12日

B.クイケン指揮によるバロック管弦楽組曲集


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ベルギーのトラヴェルソ奏者で、ヨーロッパ古楽界を担うクイケン3兄弟の1人バルトールド・クイケンがカナダのピリオド・アンサンブル、アリオンを指揮したバロック組曲集で、2001年にケベックで録音されている。

演奏曲目はいずれもバロック盛期の作曲家4人の管弦楽のための組曲で、このうちヨハン・ベルンハルト・バッハ(1676-1749)の組曲ト短調はヴァイオリン・ソロ、そして大バッハの管弦楽組曲第2番ロ短調はトラヴェルソ・ソロが加わるが、バロック・ヴァイオリンはコンサート・マスター、シャンタル・レミヤール、トラヴェルソはクイケン門下のクレール・ギモンが受け持っている。

この曲集の選曲の面白いところは、17世紀末にルイ王朝の宮廷でリュリを中心とする作曲家達によって形成されたオペラやバレエ用序曲付管弦楽組曲が、ドイツでどのように発展したか俯瞰できることで、勿論ここに収録された4曲は総てがドイツ人の作品になる。

もうひとつ興味深い点はバッハ・ファミリーから大バッハと彼の又従兄ヨハン・ベルンハルトの曲を採り上げたことで、同時代の作曲家としてお互いに影響しあった彼らの作風と、その違いも明瞭に表れている。

近年の研究では大バッハのロ短調組曲は、当初トラヴェルソではなくヴァイオリン・ソロで構想されたという説もあり、その意味でも比較の対象に相応しい選曲だろう。

全曲とも符点音符でアクセントを強調した序奏と速いフガートが交替する、いわゆるフランス風序曲に続く舞曲を中心とする個性的ないくつかの小曲によって構成されている。

バルトールド・クイケンが自ら指揮をした曲はそれほど多くない筈だが、流石に若い頃からグスタフ・レオンハルトの下で豊富なアンサンブルの経験を積んだだけあって、解釈が手堅くやはりネーデルランド派の古楽様式を引き継いでいるが、それぞれの曲の個性も充分に引き出している。

J.S.バッハの管弦楽組曲第2番でのクレール・ギモンの飾り気のない清楚なトラヴェルソにも好感が持てる。

クイケン兄弟が要になるラ・プティット・バンドは2012年に大バッハの管弦楽組曲全集の2回目の録音を果たし、そちらではクイケン自身がトラヴェルソを吹いているが、速めのテンポでシンプルな解釈はこのCDの演奏に近いものになっている。

アトマ・レーベルのCDの音質は極めて良好で、録音会場になったサントギュスタン教会の豊かな残響の中にも古楽器の鮮明な響きを捉えている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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