2015年09月17日

ピリオド・アンサンブル黎明期のセッション


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1978年にベルギーで行われたセッションで、トラヴェルソが加わるバロック後期の5人の作曲家の作品を収録している。

演奏者パルナッスス・アンサンブルは1970年に結成された古楽器奏者の5人のメンバー、バロック・ヴァイオリンのヤンネーケ・ヴァン・デア・メーア、トラヴェルソのバルトールド・クイケン、バロック・オーボエのパウル・ドムブレヒト、バロック・チェロのリヒテ・ヴァン・デア・メーア、チェンバロのヨハン・フイスから構成されている。

この時期は古楽復興の黎明期であり、まだピリオド楽器とその奏法の復元が模索されていた。

バロック・ブームと言ってもその頃はモダン楽器か、一部古楽器を取り入れた混合編成のアンサンブルが主流で、これらの作品が作曲された時代の音響の再現に興味を抱いた人はクラシック・ファンの中でもごく一部に過ぎなかった筈だ。

それにも拘らずこの曲集では、それまで余り知られていなかったレパートリーを作曲者の時代のスピリットさえも感知させる質の高い演奏と響きを再現している。

そうした研究が彼らの出身地ネーデルランドを中心に確立されたことが、古楽の故郷と言われる所以だろう。

録音機器を一新する前のアクサン・レーベルのCDなので、臨場感では現在のものにやや劣るが音質の点では及第点だ。

5曲の中でも特に彼らがアンサンブルの実力を発揮していると思われるのが、ヤーニチュとヨハン・クリスティアン・バッハの2曲で、前者は対位法に織り込まれたバロック後期特有の憂愁を湛えている。

彼は大バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルがチェンバロを弾いていたフリードリッヒ大王の宮廷楽壇のメンバーの1人だっただけに、優れた室内楽を多く残していて、このヘ長調の四重奏曲は弦楽に管楽器を取り入れた彼の典型的なスタイルで書かれている。

ヤーニチュの作品集自体それほどリリースされていないが、この曲は現在までに録音された彼のカルテットの中でも最も美しいサンプルと言っても過言ではないだろう。

一方バッハの末っ子ヨハン・クリスティアンの作品は既に古典派をイメージさせる明快な和声と屈託のない曲想が特徴で、ギャラント様式の軽快な装飾も心地良い。

こうした音楽はある程度の洒落っ気が欠かせないが、彼らの演奏は古楽の研究者というイメージから離れた親しみ易さがあり充分に愉しませてくれる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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