2015年09月18日

アルバン・ベルクSQのメンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番、第2番


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アルバン・ベルク四重奏団が1999年と2000年に行ったふたつのライヴから、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第1番変ホ長調及び同第2番イ短調を収録した1枚。

彼ららしいクールな切込みによるアプローチでの作曲家の野心的な試みが再現されている。

アンサンブルの緻密さや豊かで変化に富んだダイナミズムはアルバン・ベルクの持ち味だが、一方でメンデルスゾーンの若書きのフレッシュな味わいはいくらか犠牲になっているのも事実だろう。

ちなみに第2番は作曲家18歳、第1番は20歳の時の作品で、いずれもベートーヴェンの死を知った彼がその強い影響下に書いた曲とされているが、そこには古典的なテクニックの修錬に加えて颯爽とした奔放さがある。

その点でアルバン・ベルクは音楽を構築し、洗練し過ぎていると思う。

その徹底した創意工夫が結果的にかなり堅牢で隙のない表現に繋がっていて、これはこれでひとつの立派な解釈には違いないが、個人的にはこうした曲では余り手を加えずにむしろ素材を活かすことの方が望ましいと思う。

何故ならこの演奏を聴いていると彼らがこうした作品を完璧に仕上げようとすればするほど、自然に湧き出るような感性から乖離してしまうというパラドックスを認めざるを得ないからだ。

手許にあったターリヒ弦楽四重奏団の同曲集と聴き比べてみたが、緻密な音楽設計とそれを実現させるテクニックではアルバン・ベルクが優っているとしても、ターリヒには流れを止めない自然な推進力と開放感がある。

2002年にリリースされたレギュラーCDからのリイシューになり、セッションに較べて録音レベルがやや低いが、拍手以外のライヴ特有の雑音は皆無で、ホールの適度な残響や楽器どうしのバランス、音質も極めて良好だ。

2曲とも第1ヴァイオリンがギュンター・ピヒラー、第2ヴァイオリンをゲルハルト・シュルツ、ヴィオラがトマス・カクシュカ、チェロ、ヴァレンティン・エルベンによる彼らの黄金期のライヴで、アルバン・ベルクが録音したメンデルスゾーンの作品はこのCDに収録された僅か2曲の弦楽四重奏曲のみなので、貴重なレパートリーのサンプルであることには違いない。

ライナー・ノーツにはエーリヒ・ジンガーによる簡易な作品解説が英、独、仏語で掲載されている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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