2015年09月20日

デュメイのショーソン:詩曲(フランス・ヴァイオリン名曲集)


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オーギュスタン・デュメイの感性が余すところなく示されたフランスの作曲家によるヴァイオリン作品集で、彼は持ち前の美音だけでなく、それとは対照的な激しい擦弦音を交錯させて自身の濃厚な感性を作品のデフォルメに至る寸前まで追い求める。

デュメイにとってヴァイオリンは美しく歌うだけではなく、人間の心情の総てを表現し得る楽器としての可能性を試みているように思われる。

冒頭に置かれたショーソンの『詩曲』では狂おしいほど燃え盛る情念を抉り出しているし、また『タイスの瞑想曲』ではこれまでに誰も再現し得なかったほどのパトスが感じられる。

それは師匠グリュミオーの演奏ほど格調は高くないにしても、デュメイにしかできない甘美な哀愁の表現だ。

最後に置かれたラヴェルの『ツィガーヌ』は恐るべき演奏で、ハープが入るまでの長い導入を多彩な音色で妖艶なまでに歌いこみ、後半部は拍車のかかったオーケストラと丁々発止のやり取りをする。

そこではヴァイオリンのテクニックの限界に挑む、殆んど狂気にも似た熱狂がある。

ここではラヴェルの華麗なオーケストレーションも聴きどころのひとつだ。

指揮者のマニュエル・ローゼンタールはモーリス・ラヴェルの弟子でもあり、作曲家としても活動したパリ生まれのマエストロで、グリュミオーとも同様の作品集を残している。

録音当時既に80歳の高齢だったにも拘らずデュメイのソロを活かす情熱的な指揮で、それぞれの作品の聴かせどころを巧みに引き出している。

オーケストラはモンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団で、指揮者とデュメイの目まぐるしいアゴーギクの変化にぴったりついて奮闘している。

彼らは以前の同国立歌劇場管弦楽団で、団員にはまだ上達の余地があるにしても、フランス的な暖色系の音色に魅力があり、またオペラ上演にも慣れているためか融通の利く機動力を備えているのが特徴だ。

1984年の録音で、リマスタリングの効果で音質はきわめて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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