2015年10月19日

ザ・サウンド・オブ・パブロ・カザルス


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現代チェロ奏法の確立と同時にあらゆる平和への侵害と戦い続け、人間愛を奏で続けた巨匠パブロ・カザルス編である。

彼がバッハの『無伴奏チェロ組曲』の芸術的価値を再発見し、公開演奏に取り入れた最初のチェリストであることは良く知られているが、3枚目のCDでその情熱と創意、そして溌剌とした表現を堪能することができる。

ただしこのセットは既に同レーベルからリリースされている9枚組のコンプリート・レコーディングスからのセレクト盤で、なるべく広いジャンルから抜き取ったバラエティーに富んだアルバムにしたかったのかも知れないが、できれば他の曲種を減らしても『無伴奏』だけは抜粋ではなく全6曲を収容して欲しかった。

そうすることによって彼のバッハに関する体系的な奏法や、解釈に対するポリシーがより明瞭になり、またコレクションとしての価値も高いものになった筈だ。

EMIは音源を持っていないのだろうが、ここにはカタルーニャ民謡の『鳥の歌』が含まれていないのも惜しまれる。

音質の面で言えばオーケストラがノイズの霞を通して聞こえてくるような曲もあるが、カザルスのソロに関しては比較的良い状態で捉えられている。

中でもサー・エイドリアン・ボールト指揮、BBC交響楽団とのエルガーの協奏曲やサー・ランドン・ロナルド指揮、ロンドン交響楽団の協演になるブルッフの『コル・ニドライ』は、彼のスケールの大きな音楽観で人間愛を奏でた演奏として特筆される。

2枚目は1905年に結成されたカザルス・トリオによるセッションで、ジャック・ティボーのヴァイオリンとアルフレッド・コルトーのピアノがいくらか大時代的だが、一世を風靡したスタイリッシュな演奏として貴重だし、またその当時の音楽的な趣味を代弁しているという意味でも興味深い。

最後に置かれている曲集はカザルスの故郷カタルーニャ地方の民族舞踏『サルダーナ』を集めたもので彼自身の曲も含まれている。

使用楽器もこの地方特有のドゥルサイナを中心にした民族色豊かな響きが特徴的だ。

故郷を離れて外国で暮らすことを余儀なくされた彼にとって、カタルーニャは永遠の憧憬の地として心に刻み込まれていたに違いない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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