2015年11月03日

クリュイタンスのオッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」


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絢爛豪華なメルヘンの世界を堪能できるオペラだ。

主人公ホフマンが失恋する3人の女性にダンジェロ、シュヴァルツコップ、デ=ロス・アンヘレスといった当時のプリマ・ドンナ3人を配し、それに対抗する男声側もタイトル・ロールのゲッダほか強力かつ贅沢な布陣が聴きどころで、さながらJ.シュトラウスの『こうもり』のガラ・コンサートを聴くようなスリルと豪華さにこのオペラの醍醐味がある。

はっきり言ってストーリーの筋書きは殆んど荒唐無稽だが、終幕大詰めのシーンで絶望するホフマンに天の声が語りかけて、彼が感極まる部分でクリュイタンスは見事なクライマックスを創り上げている。

リブレットだけを読むと安っぽい台本にしか思えないが、これを一晩の飛びっきり気の利いた慰みに仕上げてしまうオッフェンバックの職人技と、劇場感覚に精通した勘の良さには改めて驚かざるを得ない。

アンドレ・クリュイタンスはワーグナーのバイロイト・ライヴは別として、彼の全盛期にいくつかのオペラをEMIにセッション録音で遺している。

モノラル時代の代表としてはオペラ・コミークとの『カルメン』やストラヴィンスキーの『うぐいす』、第1回目の『ホフマン物語』そしてドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』、そしてムソルグスキーの『ボリス・ゴドノフ』、グノーの『ファウスト』の最初の録音などがあり、ステレオ時代に入ってからは共に2回目になる『ホフマン』及び『ファウスト』が挙げられる。

しかもそれらの総てが名演の名に恥じないもので、クリュイタンスのオーケストラル・ワークばかりに拘っている方にも是非お薦めしたい演目だ。

この『ホフマン』が1回目のセッションと大きく異なっている点は、入れ替わり立ち代りする多くの登場人物に当時を代表する名歌手を当て、ライヴでは殆んど望めないキャスティングを組んでいることだ。

また物語自体のシュール・レアリズム的な雰囲気に加えて、オッフェンバックのシンプルだが巧妙なオーケストレーションと効果的な歌唱がちりばめられて、オペラが絢爛豪華な一大メルヘンの様相を呈している。

こうした作曲家のストラテジーを究極的に活かしたクリュイタンスの指揮者としての采配にも感心させられる演奏だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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