2015年11月09日

バルビローリ&ハレ管のシベリウス:交響曲全集、管弦楽曲集


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サー・ジョン・バルビローリの演奏を聴く時、そこに南欧系の匂いを感じる人も少なくないだろう。

実際彼はロンドン生まれであっても、イタリア・ベネト州出身の家庭に育った指揮者で、彼のダイナミズムとリリカルな表現はラテン系指揮者の典型にも思える。

この5枚組のセットにはシベリウスの交響曲7曲と幾つかのオーケストラル・ワークが収められているが、彼の熱い血の通った解釈が、北欧の作曲家の作品と意外にも相性が良いのに驚かされる。

バルビローリにとってシベリウスは彼のライフ・ワークとなった作曲家である。

ライナー・ノーツにも詳しいが、彼は20代で初めてシベリウスの作品を指揮して以来、戦前ハイフェッツと協演したヴァイオリン協奏曲やSPレコードに録音された交響曲第2番はニューヨーク時代の成果だし、戦後のハレ管弦楽団首席時代を通して1970年に亡くなる直前までシベリウスへの情熱を絶やすことがなかった。

このオーケストラル・ワーク集はまさに彼の円熟期の総決算的な価値を持っている。

彼の先輩に当たる英国人指揮者トーマス・ビーチャムやエイドリアン・ボールトにもシベリウスは非常に好まれたレパートリーだったようである。

後期ロマン派の名残の濃い、あたかも時代から取り残された北欧のブルックナー的な作風は、一方で豊かな抒情、牧歌的な平穏や愛国心の高揚、渦巻くような情念のドラマティックな展開での金管楽器の咆哮などは、理屈抜きで聴衆を惹きつけてしまう魅力を持っているのも事実である。

英国には数多くの優秀なオーケストラが群雄割拠しているが、マンチェスターではBBCフィルと双璧を成しているのがこのセットで全曲を演奏しているハレ管弦楽団で、19世紀半ばに設立された伝統あるオーケストラでもあり、この楽団の現在の音楽的な水準は1943年から70年まで首席指揮者だったバルビローリの貢献によって高められたとされている。

確かに良く鍛え上げられたオーケストラで、この演奏でも潤沢で無理のない音量と色彩感、そして指揮者に従う機動力も充分なものを持っている。

ワーナー・クラシックスからのバジェット価格によるリイシュー盤で、1966年から70年にかけてのEMIアナログ音源になるが、音質が優れていることも特筆される。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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