2015年11月20日

バルヒェットのバッハ:ヴァイオリン・ソナタ集


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この演奏で最も注目すべき点は、ソロを弾くラインホルト・バルヒェットが飾り気のない、すこぶる流麗でシンプルな解釈を示していることで、これによってバッハの書法が真摯に再現されている。

モダン奏法によるバルヒェットのヴァイオリンとチェンバロによるセッションだが、聴き込んでいくと装飾音の扱いなどからバルヒェットがいかに古楽を良く研究していたかが理解できる。

当時まだ古楽の黎明期にあって、本来のバッハの音楽表現に相応しい演奏を試みている稀なヴァイオリン・ソナタ集だ。

ヴァイオリンの大家が弾く、風格はあるがバロックの室内楽としての魅力からはいくらか乖離した演奏とは異なり、モダン奏法によるバッハの音楽に対する無理のない再現と、その両立にも成功している例ではないだろうか。

それは良い意味での中庸の美で、古楽がピリオド楽器及びピリオド奏法によって演奏されることが当然になった現在では、得難いサンプルとしての価値を持っている。

バルヒェットのソロに花を添えているのがヴェイロン=ラクロワのチェンバロで、その軽妙洒脱な奏法がこの曲集をより親しみ易いものにしている。

このセッションで彼が使用しているのはクルト・ヴィットマイヤー製作のモダン・チェンバロで、確かにピリオド楽器に慣れた耳には時折音色が厚かましく感じられることがあるにせよ、彼はレジスターを巧みに操作して楽器の弱点をカバーしている。

個人的に話になるが、筆者がクラシック音楽に親しみ始めた少年の頃、毎週日曜日の朝NHK.FMから放送されていた角倉一郎氏の解説による『バッハ連続演奏』というラジオ番組があって、ある時彼がこの演奏を採り上げていた。

それがこの録音を知った最初の体験で、今でも印象深く記憶に残っている。

エラート音源の3枚組のLPは、その後長い間廃盤の憂き目に遭っていたが、一度日本でCD化され更に2009年にワーナー・ミュージックとタワー・レコードのコラボによってデトゥール・コレクションのひとつとして2枚組の廉価盤で復活したものがこのセットだ。

なお偽作を含む通奏低音付のBWV1021から1024の4曲のソナタではチェロのヤコバ・ムッケルが参加している。

録音は1960年頃という表示があり、現代ピッチのa'=440Hzを採用している。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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