2015年11月25日

カラス&デ・サーバタのプッチーニ:歌劇「トスカ」


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1953年のモノラル録音の伝説的名演で、ヴィクトル・デ・サーバタの一瞬の隙もない緊張感に漲る指揮が、稀に見る空前のスケールを誇る『トスカ』に仕上げている。

それは現在までに上演されたあらゆる『トスカ』の中でも別格的な存在感と価値を持っていると言っても過言ではあるまい。

指揮者ヴィクトル・デ・サーバタの正式なセッションはごく限られたものしか残されていないのが残念だが、この『トスカ』は一瞬の隙もない緊張感に漲る彼の指揮によって、人間の愛憎を抉り出したオペラ録音史上稀に見る名演としてお薦めしたい。

勿論主役の歌手3人と脇役陣に至るまで極めつきのはまり役で、例えばマリア・カラスの第1声『マリオ!マリオ!マリオ!』で主人公トスカの苛立ちと嫉妬を、ものの見事に表現し切っている。

トスカという役柄を与えられた感情表現の振幅の驚異的幅広さ、その激しさと切実さとが、オペラであることを忘れて聴き入らせる吸引力を持つ壮絶なる名唱である。

こんな歌手が過去から現在に至るまでいただろうか。

彼女やスカルピアを演じるティト・ゴッビは声で総てを演じてしまうすべを知っていた恐るべき歌手だったが、彼らの舞台上での演技の素晴らしさも今日では伝説的に伝えられている。

幸いこの2人による『トスカ』第2幕はDVDにもなっているので鑑賞可能だ。

この2人による『トスカ』第2幕は最終幕でカステル・サンタンジェロから凄絶な飛び降り自殺を遂げるトスカの幕切れシーンは、このCDでは殆んど歌唱を超越した身の毛のよだつような叫び声とたたみ込むオーケストラの総奏によって閉じられる。

ゴッビについては1980年代にイタリアで制作されたテレビ映画『プッチーニ』のなかでこのオペラの第1幕幕切れの「テ・デウム」や『ジャンニ・スキッキ』での並外れた演技シーンを観ることができる。

また画家カヴァラドッシに扮するディ・ステファノの明るく突き抜けるような声は劇中のクライマックスや土壇場で起こる主役3人全員死亡という劇的な結末と見事なコントラストをなしていて、この作品を一層暗く陰惨なものにしている。

またミラノ・スカラ座管弦楽団も指揮者の要求に良く応え、彼らの底力をみせた白熱の演奏を繰り広げている。

録音は1953年で当然モノラルながら声に関しては極めて良い状態で採られている。

一方オーケストラの音質はいくらか分離状態が悪く、トゥッティではひとつらなりの響きになって聞こえてしまうが、そうした弱点を超越して余りある賞賛すべき演奏だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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