2015年12月06日

ラインスドルフのプロコフィエフ・セット


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この6枚のセットにはプロコフィエフの7曲の交響曲から、強靭で戦闘的な曲趣を持つ「第2」、「第6」、「第3」、「第5」の4曲、そして6曲のピアノ協奏曲からは未完の2台用を除いた5曲、更に全2曲のヴァイオリン協奏曲とバレエ音楽『ロメオとジュリエット』のハイライト及び交響的組曲『キージェ中尉』が収録されている。

同じメンバーによる『スキタイ組曲』が選曲から漏れているのが残念だが、ラインスドルフの厳格な中にも劇場人らしい融通性と、ボストン交響楽団の機動力やアメリカのオーケストラらしい逞しいサウンドをフルに活かした鋼のような力強さを目の当たりに見せ付けている。

首席指揮者がミュンシュの時には即興的な指揮に対する楽員の反応に面白味があり、またミュンシュ自身もそれを期待していたが、ラインスドルフとはより統制されたアンサンブルを聴かせている。

またプロコフィエフのように多彩な音響的メッセージを内包した作品でも、彼のアプローチは新古典主義的な明確な形式感を持っていて散漫な印象を与えていない。

ピアノ協奏曲ではジョン・ブラウニングのソロが独壇場の冴えを発揮した小気味良いリズム感とダイナミズムは圧倒的なものがある。

日本ではそれほど知名度は高くなかったが、ほぼ同世代のジュリアス・カッチェン、ゲイリー・グラフマン、ヴァン・クライバーンなどと技を競ったピアニストだ。

ここには第1次世界大戦で右手を失ったパウル・ウィトゲンシュタインのために書かれた第4番『左手のための協奏曲』も含まれていて、同一演奏家による高い水準の協奏曲集としての価値もある。

因みにウィトゲンシュタインはラヴェルの協奏曲は初演しているが、この曲は音楽的に受け入れ難いとして断ったという、いわくつきの作品でもある。

ヴァイオリン協奏曲では第1番のソロをエリック・フリードマン、第2番をイツァーク・パールマンが弾いている。

両曲の曲想が対照的なので一概には言えないが、比較するとフリードマンの方はアグレッシヴな表現が前面に出てしまい、流石にパールマンの切れの良いテクニックと洗練されたカンタービレに分があるようだ。

ラインスドルフ、ボストン響のコンビはプロコフィエフの交響曲全集を完成させていないので、このセットに収められた4曲のセッションが総ての録音になる。

いずれも1964年から1969年にかけてのステレオ録音で、新リマスタリングの効果もあってこの時代の音質としては驚くほど鮮明で、また臨場感にも不足していない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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