2015年12月20日
ドビュッシー:室内楽曲集
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現在のフランスを代表するソリスト達と、ベルリン・フィルのメンバーの友情出演によって実現したドビュッシーの魅力的な室内楽曲集。
中でも管楽器奏者の明るく軽やかな音色と、幻想豊かなマリー=ピエール・ラングラメのハープが聴きどころだ。
ただし彼らの師匠格に当たるモーリス・アンドレ、ジャン=ピエール・ランパル、ジャック・ランスロやリリー・ラスキーヌなど一世を風靡した名人達の全盛期を知っている筆者にとっては、このCDの演奏でさえ少し生真面目な印象を受けてしまう。
いずれにせよここに登場するフランスの管楽器奏者達が競うドビュッシーには彼ら特有の華がある。
それは音色の明るさ、変化に富むニュアンス、そして柔軟で解放的な表現などで、例えばエリック・オビエの演奏するトランペット用に編曲された『夜想曲』から「祭」の自由闊達な軽快さと、光りの中に佇んで葦笛を持つパンの姿が目に浮かぶような『シランクス』は秀逸だ。
尚後者は無伴奏フルートのためのオリジナルの形でヴァンサン・リュカの演奏でも収められているので、異なった楽器による聴き比べも楽しむことができる。
後半の白眉はヴァンサン・リュカのフルート、リズ・ベルトーのヴィオラにラングラメのハープが加わったソナタ、ピアノのパートをハープ用にアレンジしたルートヴィヒ・クヴァントの弾くチェロ・ソナタ、そしてハープにベルリン・フィルの弦楽のメンバーが加わる『聖なる舞踏と世俗の舞踏』。
いずれの演奏も緊張感を孕んだ中に流麗でエレガントな表現と、時折きらめくようなインプレッショニズム特有の光彩を放つ音色が、ドビュッシー独自の世界を想像している。
録音レベルが高く、スピーカーから音像が飛び出して来るような臨場感と音質の良さも特筆される。
CDは内側のトレイのみがプラスティックの紙製デジパックに収納されている。
挿入されているライナー・ノーツは全アーティスト写真入り23ページの充実したもので、解説は総てフランス語だが、演奏者紹介の部分だけに英語訳が付けられている。
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