2016年01月11日

シュタルケルのマルティヌー&プロコフィエフ&ドホナーニ:チェロ協奏曲


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プラガ・ディジタルスのレギュラー盤での新シリーズ、ジェニュイン・ステレオ・ラブの最新盤で、ヤーノシュ・シュタルケルのソロによる20世紀のチェロ協奏曲3曲を収録している。

コダーイの無伴奏チェロ・ソナタに象徴されるように、シュタルケルは20世紀の作品にも多くのパイオニア的名演を残しているが、このCDはマルティヌー、プロコフィエフ及びドホナーニの、いずれも高度な音楽性だけでなく離れ技的なテクニックを要求されるチェロ協奏曲を集めている。

マルティヌー以外の2曲は他のセッションやライヴからのCDが入手可能で、このアルバムでもワルター・ジュスキント指揮、フィルハーモニア管弦楽団との1956年のモノラル盤が収録されている。

ちなみにこの2曲のマスター・テープはステレオ録音で昨年ワーナーからリリースされたイコン・シリーズの10枚組にステレオ盤で復活している。

これらはシュタルケル若き日のシンプルで堅固な音楽性と爽快な超絶技巧が織り成す名演だ。

一方彼はマルティヌーに関しては3曲のチェロ・ソナタをRCAに、そして『ロッシーニのテーマによるヴァリエーション』をマーキュリーに入れているが、ディスコグラフィーを見ても協奏曲に関しては他に音源がないようで、これは掘り出し物と言える。

マルティヌーは生涯に2曲のチェロ協奏曲を作曲しているがこれは第1番で、ライナー・ノーツには1995年の第3稿という記載がある。

このCDに収録されている音源はジョン・ネルソン指揮、プラハ放送交響楽団(SOCR)との1990年3月19日のプラハ・ライヴで、筆者自身初めて聴く彼のレパートリーだった。

シュタルケル66歳の円熟期の演奏だが、若々しい清冽なカンタービレやダブル・ストップの連続するカデンツァが超人的な鮮やかさで迫ってくる。

プロコフィエフとドホナーニの2曲はEMI音源で、EMIは1958年からステレオLP盤の正規販売を始めたが、この1956年のセッションのオリジナル・マスターも歴としたステレオ録音になり、この頃から試験的にステレオ録音を始めていたことが推察される。

今回チェコ・プラガが同音源の古いモノラル盤を使ったのは、ワーナーの持っている2014年のイコンでのリマスタリングの著作権が理由だと思われる。

精彩ではステレオ盤が優っているが、音質自体はやや暗めの輪郭のはっきりしたリマスタリングで悪くはない。

本番に強かったシュタルケルはライヴ、セッションを問わず恐ろしく精緻で情熱的な演奏をしたが、またライヴに臨む場合でも取り組む曲にはいずれも良い意味でのプロフェッショナルな絶対的で冷徹とも言える安定感があって、決して聴く者を落胆させることがなかった。

そうした彼の典型的な奏法がこの3曲にも良く表れている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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