2016年01月13日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのシューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」、他[SACD]


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フルトヴェングラー&ベルリン・フィルによる1951年の『ザ・グレイト』の音源は過去にドイツ・グラモフォンからシングルレイヤーの限定盤としてSACD化されていたものだが、今回プラガ・ディジタルス独自のリマスタリングによるハイブリッド盤がリリースされたことを歓迎したい。

カップリングされたもう1曲はベートーヴェンの交響曲第9番の終楽章で、1954年8月22日のルツェルン音楽祭からのライヴになる。

どちらもモノラル録音だがマスター・テープは、当時としては極めて良好な音質と保存状態でSACD化の甲斐がある音源であることに異論はない。

ベートーヴェンの『第9』が終楽章のみの収録というのは、如何にも余白を埋めるためのご都合主義としか思えないが、プラガでは近々全く同一音源の『第9』全曲のSACD化を予定しているので、これは一種のトレイラーとして聴いておくことにした。

ただしこの音源も既にアウディーテ・レーベルから2000年にSACDとしてリリースされていたものだ。

ちなみにヨーロッパではこのシューベルトの方が昨年末に既にメジャーなマーケットに出ていた。

15ページほどのライナー・ノーツには曲目解説とフルトヴェングラーのキャリア及びベートーヴェンの『第9』第4楽章のシラーの頌歌『歓喜に寄せて』の歌詞対訳が英、仏語で掲載されている。

シューベルトの交響曲第9番ハ長調『ザ・グレイト』は、当時のセッションとしては殆んど非の打ちどころのない音質を保っているのに驚かされる。

第1楽章冒頭のホルンは田園的な穏やかさで開始されるが、その後のテンポは柔軟かつ自在に変化して聴く者をフルトヴェングラーの世界に引き込んでおかずにはいない。

しかしオーケストラは常に清澄な響きを失うことがない。

勿論第1楽章の展開部や終楽章のクライマックスではブラス・セクションとの堂々たる総奏があるにしても、全体的には過度にドラマティックな表現や音楽の急激な変化を避けた、一点の迷いもない明朗なシューベルトが再現されているのが特徴だろう。

ベルリン・フィルの一糸乱れぬ精緻なアンサンブルも聴きどころで、SACD化によって楽器間の分離状態も向上して総奏部分でも音響がひと塊の団子状態になることが避けられている。

この時期のフルトヴェングラーのシューベルトの解釈が彼の第1回目の同曲の録音時とはかなり異なっているのも興味深い。

どちらも評価の高い演奏で、その優劣を問うことは殆んど意味を成さないだろうが、シューベルト的な豊かな歌謡性や抒情を感じさせるのがこの1951年盤だと思う。

こうした演奏を鑑賞していると、シューベルトが大上段に構えた管弦楽曲の作曲を目論んだ野心作というより、湧き出るような楽想を1曲の交響曲にまとめあげたという印象を受ける。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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