2016年02月02日

ターリヒSQのメンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集


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カリオペ音源のリイシュー盤で、メンデルスゾーンの瑞々しい才能が迸り出るような豊かな音楽性と、それをダイレクトに伝えるターリヒ四重奏団の明るくしなやかな弦のアンサンブルを高く評価したい。

弦の甘い空気がたっぷりと含まれた良い録音で、メンデルスゾーンの甘美かつ天才のきらめきに満ちたこれらの弦楽四重奏曲の世界を見事に表現しており、また音質にも恵まれているので入門者にもお薦めしたいセットだ。

メンデルスゾーンの音楽はどちらかと言えば素材重視の明晰な解釈が合っていて、手の込んだ凝り過ぎた表現や、あえて深みを強調するような演奏はそれほど相応しくない。

ターリヒ四重奏団は弦の国チェコの出身だけに、自然で美しい響きを常に活かしながら作曲家の屈託のない天性のメロディーと整然とした作曲技法を理想的に再現している。

しかし彼らのアンサンブルのテクニックは流石に緊密で隙がなく、各声部のバランスを巧妙に配慮しながら、決して分厚い和音の壁を作らずにフレキシブルな軽快さを保っている。

特に第4番ホ短調で聴かせる甘美でさりげない憂愁の佇まいや、第6番へ短調での先を急ぐ清冽な奔流を思わせる推進力が、おそらく彼らにしか表現し得ない雰囲気を醸し出していて秀逸だ。

音楽家のファミリー、ターリヒ一族はチェコ・フィルを黄金時代に導いた指揮者ヴァーツラフがその中心人物で、この弦楽四重奏団を創設した彼の甥で第1ヴァイオリンを弾いていたヤンは、伯父への敬意からこのアンサンブルの名称をとったようだ。

1964年にデビューを飾って以来、そのキャリアは既に50年になろうという息の長い活動を続けていて、この間に総てのパートのメンバーが入れ替わっているが、現在でもなおターリヒ家の血を受け継いだ息子のヤン・ジュニアが第1ヴァイオリンを受け持っている。

先般彼らはやはりカリオペ音源のモーツァルトの弦楽五重奏曲全曲を復活させ、また新譜物ではドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲をリリースしている。

それらはいずれも鮮烈でありながら鷹揚に弦を歌わせたターリヒの特徴が良く表れたアルバムだ。

ラ・ドルチェ・ヴォルタは仏ハルモニア・ムンディ傘下の新レーベルで、アルページュ・カリオペの全音源を買い取っているそうだが、ライナー・ノーツを充実させているのも特徴で、このセットでは作品解説と演奏者紹介が仏、英、日本語で52ページほどあり、読み物としても楽しませてくれる。

また写真家ベルナール・マルティネーズのアート・フォトも多数掲載されていて、手作りのCDとしてのオリジナリティーが感じられる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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