2016年02月06日

クリュイタンス/オペラ・レパートリー集大成BOX


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ヴェニアス・レーベルからリリースされているアンドレ・クリュイタンス・シリーズの第3集に当たり、今回は1948年から1964年までの彼のオペラ録音をセッション、ライヴともに網羅的に収集した、これ迄では最多数の56枚のセットになる。

ただし1964年以降の代表盤であるオッフェンバックの『ホフマン物語』ステレオ録音は含まれていない。

当時のスター歌手を文字通りきら星のように配した豪華絢爛なキャストで、クリュイタンスのレパートリーから外すことはできない筈だが、次回以降に回すということだろうか、ここでは同曲の1948年のモノラル盤が収められている。

多くのCDが既に製造中止の憂き目に遭っていて復活が望まれていたものばかりだが、その幾つかを紹介すると、先ず1962年にパリでセッション録音されたムソルグスキーの『ボリス・ゴドゥノフ』のステレオ音源で、鮮やかな情景描写と登場人物のキャラクターを描き分ける手腕が縦横に発揮された、クリュイタンスの数少ないスラヴ系オペラのレパートリーだ。

彼はボリスの死で幕が降ろされる1908年のリムスキー=コルサコフ版を採用している。

歌手ではシャリアピンの再来と言われたボリス・クリストフがタイトル・ロールの他にピーメン、ヴァルラームの3役を歌った、彼にとっては2度目の録音で、中でも第2幕時計の場(CD28トラック13)でのボリス狂乱のシーンが迫真の演技でこの物語のおぞましさを象徴している。

ドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』はバイエルン放送交響楽団との1955年盤とフランス国立放送管弦楽団との1956年盤の2種類が入っている。

どちらもモノラル録音だが後者のジャンサン、デ・ロス・アンへレス、スゼーを配した演奏の方がより精妙でシュールレアリズム的なストーリーを象徴している。

ビゼーの『カルメン』も2種類が収録されているが、1950年のオペラ・コミーク版は後に編曲される壮麗なグランド・オペラとはかなり異なった、生前作曲家自身が構想していたセリフを交えて進行する、本来の舞台劇としての細かいニュアンスを伝える演奏が秀逸だ。

後半はドイツ物で、クリュイタンスがバイロイト音楽祭の3シーズンを続けて振った3種類の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』が圧巻だが、それぞれのキャストが微妙に違っている。

例えば1956年にハンス・ザックスを歌ったホッターは1958年にはポーグナーに替わり、ヴァルターは1956年がヴィントガッセン、1957年はヴァルター・ガイスラー、そして1958年にはヨーゼフ・トラクセルが歌っている。

歌詞対訳は一切省略されているし、ライナー・ノーツさえ付いていない。

ボックスは幅16X奥行き13,5X高さ12,5cmの美麗でしっかりした装丁だが、底面にMADE IN UEとだけ記されていて会社の住所もサイトの表示もない、一種のダミー・カンパニーなのだろうか。

ヴェニアス・レーベルの企画はオールド・ファンにとっては魅力的なものが多く、またコスト・パフォーマンス的にもかなりリーズナブルだが、CDは何故か欧米のマーケットには全く出ていないので、主として日本人のクラシック通をターゲットにした商法なのかも知れない。

尚それぞれのジャケットの裏面に収録曲とトラック見出し及び演奏者、録音データが掲載されている。

音質は概ね良好で、一番古い1948年の『ホフマン物語』でも声楽部分は良く捉えられている。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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