2016年02月13日

オイストラフのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集、他


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



このCDの特徴は先ずダヴィッド・オイストラフによるブラームスが作曲したソロ・ヴァイオリンとピアノのための作品全4曲が収録されていることで、これ迄に個別にしかリリースされていなかったものを1枚のCDにまとめた画期的な企画と言える。

また総てがライヴ録音だが幸い音質が極めて良好なステレオ音源で、客席からの雑音や拍手は入っているが、鮮明な音像が再現されている。

オイストラフのスコアへの読み込みの深さと共に押し出しの良い堂々たる表現力、そしてストラディヴァリウス "マルシック" の磨き抜かれた明るく艶やかな音色が全曲を通じて堪能できるアルバムだ。

オイストラフは生前ブラームスのヴァイオリン・ソナタをセッション、ライヴを含めると全曲録音している。

ただし全曲集としての企画ではなく、それぞれが異なった機会のために演奏されたもので、協演のピアニストは少なくとも4人いる。

リリースしたレーベルについては複雑になるので省略するが、それらの音源は第1番ト長調『雨の歌』がオボーリンとの1957年及びこのCDに収められているバウアーとの1972年盤があり、第2番イ長調にはモスクワとザルツブルク・ライヴの2種類のリヒテルとの1972年盤が存在し、第3番ニ短調では1955年及び1957年にヤンポリスキー、1966年にはバウアーと、そして1972年にはリヒテルとも協演している。

しかしヨアヒムに献呈されたF.A.E.ソナタのスケルツォハ短調に関してはここに収められた1968年のリヒテルとのライヴが唯一の音源らしい。

スケルツォハ短調はシューマン、ディートリヒ、ブラームスの合作によるヴァイオリン・ソナタの第3楽章として作曲されたもので、オイストラフの毅然として打ち込むようなリズムにリヒテルの緊張感に充ちたピアノが煽るような躍動感を響かせ、短い中間部では両者が息の合った硬派のカンタービレを聴かせる魅力的な小品に仕上がっている。

尚この曲集では何故かヴァイオリン・ソナタ第3番をリヒテルではなくバウアーとのプラハ・ライヴを選んでいる。

勿論バウアーは伴奏者としても独自の主張を持った優れたピアニストだったので、隙のない華やかなフィナーレを飾って盛大な拍手を受けていて、むしろこのCDでは最もスケールが大きく劇的な演奏をしている。

リヒテルの伴奏については、そのきめ細かい表現とアンサンブルの巧さは言うまでもないが、オイストラフとは一番相性の良かったピアニストではないだろうか。

オイストラフ&リヒテルによる全曲録音が遺されなかったことが惜しまれる。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 22:40コメント(0)トラックバック(0)ブラームス | オイストラフ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ