2016年04月11日

レオンハルトのバッハ:インヴェンションとシンフォニア


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レオンハルトはひとつひとつの短い曲に豊かなアーティキュレーションと控えめだが自在なフレージングで個性を与え、全体的にも精彩と変化に富んだ曲集に仕上げている。

また良く聴いているとレジスターの使い分けも多彩で、チェンバロの機能と音色の魅力を巧みに引き出しているところにも斬新さがある。

鍵盤楽器の学習者にとってバッハのインヴェンションとシンフォニアは避けて通れない、言わば必須の練習曲だが、レオンハルトの演奏はそうした教則本をイメージさせるような陳腐さや退屈さから一切解放された、音楽としての価値を改めて問い直し、最高の教材は同時に最高の芸術作品でなければならないというバッハ自身の哲学を実践した演奏と言えるだろう。

特にシンフォニアになると各声部を注意深く感知させるだけでなく、装飾音の扱いにもさまざまな工夫が聴かれるし、時には大胆とも思える拍内でのリズムのずらしやハーモニーを崩して弾く方法を試みて、チェンバロ特有の表現力の可能性を追究すると共に、この曲集の持つ音楽的な高みを明らかにしている。

彼らによって復元されたこうした奏法は、ヒストリカル楽器の持つ構造的な機能を熟知して初めて可能になるもので、それ以前のモダン・チェンバロによる演奏では聴くことができない。

楽譜に対する深い洞察により作品の本質に鋭く迫った演奏で、厳格なバランス感覚に裏打ちされた知的な自由さが大きな魅力となっている。

気品あるチェンバロの音色も一聴に値するものであるが、1974年にアムステルダムで録音されたいくらか古い音源なので、音質がやや硬く聞こえるのが惜しまれる。

ここでの使用楽器はアントワープの名匠J.D.ドゥルケンが1745年に製作した二段鍵盤のチェンバロを、1962年にマルティン・スコヴロネックがレオンハルトのためにコピーしたもので、典型的なルッカース系の暗めだが品のある豊かな余韻を持った響きが特徴だろう。

レオンハルトはピリオド楽器による演奏の先駆者として楽器の選択にもかなりの拘りを持っていた演奏家の1人だ。

尚ピッチは現代よりほぼ半音ほど低いa'=415Hzに調律されている。

このふたつの曲集ではバッハの明確な意図に基く全く無駄のない学習方法が考案されている。

これから鍵盤楽器を学ぼうとする人のために、始めは指の独立と2声部を巧く弾けるように、そして上達するに従って3声の曲に移り、とりわけカンタービレ、つまりそれぞれの旋律を歌わせる基本的なテクニックを学びながら、更にはテーマを展開して曲を構成するための作曲技法習得の手本としても役立てるようにと添え書きしている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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