2016年04月13日

ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのショスタコーヴィチ:交響曲第8番、スクリャービン:交響曲第4番『法悦の詩』[SACD]


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プラガ・ディジタルスのSACD盤シリーズで、ムラヴィンスキーは既にリヒテルとの協演で2枚、その他にオイストラフとショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲を収めた1枚がリリースされているが、今回彼が振ったオーケストラル・ワークのレパートリーから更に2枚が加わった。

演奏については今更言及するまでもない評価の高い名盤なので、音質がどの程度改善されたかが鑑賞のポイントになるだろう。

ショスタコーヴィチが1961年2月12日のライヴ、スクリャービンの方が1958年12月22日のセッションのどちらもモノラル録音で、演奏の質とその意義を考えればSACD化の価値は充分に見出せるが、当時の欧米の大手メーカーに比較するとこれらの音源とその保存状態は理想的とは言えないのも事実だ。

改善された点は高音部の伸びと音場に奥行きが感じられるようになったことで、その結果以前より無理のない柔らかで潤いのある音質が得られている。

モノラル録音では楽器ごとの分離状態がある程度確保されることで臨場感が補われるので、その意味では成功しているし、また僅かながら音像に立体感が出ている。

特に管弦打楽器が一斉に鳴り響く総奏の部分では再生し切れなかった音の塊りが、より自然に響いている印象を受ける。

ショスタコーヴィチの交響曲第8番ハ短調はムラヴィンスキーに献呈され、彼によって初演された作品なので、指揮者自身にも強い思い入れがあった筈だし、ライナー・ノーツによればこの曲はジダーノフ批判の波に曝されて1948年から56年まで上演禁止の憂き目に遭っていた。

交響曲としての色調はいたって暗く、ムラヴィンスキーによって鍛え抜かれたレニングラード・フィルの統率感と凄まじいばかりの集中力がただならぬ雰囲気を作り上げている。

第3楽章のミリタリー的なファンファーレの応酬にも硬直した感じがないのは流石で、それに続くパッサカリアへの劇的な変化にも必然性がある。

当時の放送用ライヴだが、幸い客席からの雑音は最低限に抑えられている。

一方スクリャービンの交響曲第4番『法悦の詩』は官能的な演奏とは言えないが、逆にある種硬質な透明感が曲の神秘性を醸し出している。

2台のハープ、オルガン、チェレスタや多くのパーカッションが活躍するこの曲こそステレオ録音で聴きたいところだが、ムラヴィンスキーによって冷徹に熟考されたダイナミズムとバランスはそうした弱点を超越して特有の色彩感も感知させている。

ちなみに同SACDシリーズでムラヴィンスキーのオーケストラル・ワーク第2集、バルトーク、オネゲル及びストラヴィンスキーの作品集がリリースされている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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