2016年05月09日

フルトヴェングラーのシューマン:交響曲第1番『春』、序曲『マンフレッド』、交響曲第4番[SACD]


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プラガ・ディジタルスSACDシリーズでは既に5枚目になるフルトヴェングラー演奏集で、今回はシューマンの交響曲第1番変ロ長調Op.38『春』、序曲『マンフレッド』Op.115及び交響曲第4番ニ短調Op.120の3曲を収録している。

交響曲第1番は1951年10月29日のミュンヘンに於けるウィーン・フィルとのライヴ、『マンフレッド』は1949年12月18日のベルリン・ライヴ、交響曲第4番は1953年5月14日のベルリンでのセッション録音で後者2曲のオーケストラはベルリン・フィルとクレジットされているので、それぞれがデッカ及びドイツ・グラモフォンからリリースされていたものと同音源になる。

総てがモノラル録音で、音質は交響曲第1番では鑑賞可能といった程度で、彼の音楽的な意図が手に取るように理解できることは確かだが、分離状態も鮮明さもそれほど期待できないことはフルトヴェングラー・ファンであればご承知の通りだ。

SACD化でいくらか音場に立体感が出て高音の伸びが良くなったことは認めるが、この音源からそれ以上の音質向上は望めないだろう。

それに反して他の2曲は時代相応の録音状態だが幸い高度な鑑賞にも堪え得る音質が保たれている。

尚交響曲第4番は音場の拡がりから擬似ステレオ化されているものと思われる。

フルトヴェングラーのシューマンの作品への解釈とその演奏は非常に評価が高く、交響曲第4番に至っては歴史的名演のひとつとされているばかりか、古今のあらゆる録音の中でも最高のセッションという評価を下す人も少なくない。

シューマンの薫り立つようなロマンティシズムや文学的センスが彼の変幻自在に変化するテンポ感やディナーミク、管弦楽法の巧みな処理によって弥が上にも高められ、情念の渦巻くような効果を引き出していく手腕には確かに恐るべきものがある。

現代の演奏では考えられないほど世紀末的で恣意的な趣味を引き摺っているように思われるかも知れないが、批評家達の受け売りをすればそこに不自然な強引さを感じさせないだけのモティーフの有機的な結合と、絶え間ない奔流が知的にコントロールされているのも事実であろう。

フルトヴェングラー独自のこうした手法が現代に生きる私達にかえって新鮮な感覚をもたらして、今もってその演奏に惹きつけて止まない理由ではないだろうか。

ちなみに第2楽章の独奏ヴァイオリンは当時のベルリン・フィルのコンサート・マスター、ジークフリート・ボリスで、控えめだが温もりを感じさせるソロがひと時の安らぎを与えてくれる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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