2016年06月03日
オイストラフのプロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番、他[SACD]
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EMIのグレート・レコーディングス・オヴ・ザ・センチュリーの1枚で、数年前に新しいリマスタード盤がレギュラー・フォーマットでリリースされた音源をレジェンダリー・シリーズとして新規にDSDリマスタリングして復活した。
音質は更に磨きがかかって音場に奥行きも出ている。
ヴァイオリン協奏曲第1番及びヴァイオリン・ソナタ第2番はモノラル音源だがSACD化の効果は充分聴き取れる。
いずれもオイストラフ絶好調のセッションで、例えばロヴロ・フォン・マタチッチ指揮、ロンドン交響楽団とのヴァイオリン協奏曲第1番の第2楽章ではソロ・ヴァイオリンの第一声から聴き手をぐいぐいと引き込んでいくパワフルな奏法と、目の醒めるような鮮やかなテクニックが冴え渡っている。
同第2番はアルチェオ・ガリエラ指揮、フィルハーモニア管弦楽団との協演で、第2楽章の洗練を極めたカンタービレの美しさと、決して上滑りしない深みのある歌心の表出はオイストラフならではの格別な味わいがある。
また終楽章の堂々たるロシア風のスケールの大きさと風格も圧倒的な表現力の広さを示している。
前者は1954年、後者が1958年のセッション録音になる。
一方最後に収められたヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調は、元来プロコフィエフがフルートのためのソナタとして作曲した作品だったが、オイストラフの助言でヴァイオリン用に改作されて以来、むしろヴァイオリン・ソナタとして取り上げられることが多いようだ。
ヤンポルスキーのピアノ伴奏で、こちらは1955年の録音になり他の2曲に比較してややドライで音質の古めかしさは否めないが、バランスは良く鑑賞には充分堪えられる。
第3楽章にはフルートにより適していると思われる曲想が現われるが、オイストラフの音楽的ニュアンスの豊かさにカバーされて、ヴァイオリン・ソナタとしてのオリジナリティーを発揮している。
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