2016年06月15日

ブーレーズ第1回目のバルトーク作品集


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ピエール・ブーレーズは早くも1960年代から、20世紀の音楽体系とも言うべき現代音楽作品集に取り組み、その意欲的な試みをソニーに残している。

このバルトークに当てられた4枚も1967年から10年間かけて制作されたもので、逸早く20世紀の音楽の芸術的な価値を認識したブーレーズの先見の明と、その演奏に賭けた情熱と意気込みが当シリーズにも明瞭に感じられる。

この頃はまだこうした作曲家の作品群を系統的に録音する指揮者は少なく、それまで単発的なセッションはあっても余白を埋める予備のように扱われていた作品が、彼が先鞭をつけたことによって、やがてコンサートのレギュラー・プログラムや新譜のCDにも採り上げられるようになった。

その後ブーレーズは1990年代からソロ協奏曲も加えて新境地を示した、よりインテグラルな2度目のセッションを果たして、そちらも高く評価されている。

しかしバルトークに関して言えば、フリッチャイによるセンセーショナルな先例は別格としてブーレーズの壮年期特有の覇気に漲った先鋭的な演奏と、それぞれの曲の構造を浮き彫りにする解析力に優れたこのセットの演奏をお薦めしたい。

何故ならそうした表現が、作品が創られた時代の作曲家の野心をも率直に伝えているように思えるからだ。

中でもバレエ音楽『かかし王子』はストラヴィンスキーの『春の祭典』を始めとする当時の前衛的な音楽がクラシック楽壇を騒然とさせていた時期に上演された作品だけに、バルトークの筆にもそれを充分に意識した、時代の最先端を行く作曲家としての自負と情熱の迸りがある。

このセッションは1975年に行われたが、ブーレーズの精緻な指揮によって独特の透明感と同時にメルヘンチックな色彩豊かな雰囲気が醸し出され、バレエの舞台を彷彿とさせるような絵画性とファンタジーに富んでいる。

手兵ニューヨーク・フィルのパワフルな音響も全開で『4つの管弦楽曲』や『中国の不思議な役人』と並んでオーケストラの醍醐味を味わえる演目だ。

またエスニカルな魅力を引き出したものとしてはCD2の『田舎の情景』及び最後に収められている『舞踏組曲』が同じメンバーによって堪能できる。

ソニー・クラシカル・マスターズの廉価盤シリーズで、ライナー・ノーツは付いていないが、このセットには曲目と演奏者が一覧できる6ページのパンフレットが挿入されている。

リマスタリングの効果は上々で音質はこの時代のものとしては極めて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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