2016年06月19日

ワーナーのR.シュトラウス記念企画第3巻


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ワーナーのリヒャルト・シュトラウス記念企画第3巻目に当たり、普段はあまり演奏されることのない大編成の声楽曲やアンサンブル、そしてオペラからの編曲物など13の作品が3枚のCDに収められている。

演奏頻度から言えばきわもの的な存在だが、作曲家のロマンティックな感性と壮大な構想を孕む野心とが如実に示されている作品群だ。

例えば第1曲目、ルートヴィヒ・ウーラントの叙事詩からの『吟唱詩人タイユフェ』は3人のソロ歌手とコーラスに六管編成のオーケストラが加わる労作で、作曲家の指示によれば4部90名の弦楽器、6本ずつのフルートとオーボエ、7本のクラリネット、5本のファゴット、8本のホルン、6本のトランペット、4本のトロンボーンと2本のテューバ及びパーカッション群と大合唱による壮麗な音響が要求されているが、演奏時間は18分足らずで特殊な機会でなければ採り上げられない。

しかし中間部の勇壮な戦闘場面の描写ではシュトラウスの管弦楽法の手腕が縦横に発揮されている。

続くゲーテによる『さすらい人の嵐の歌』も6部の合唱と大オーケストラのために書かれた作曲家19歳の時の力作で、更に3曲目のアイヒェンドルフのリーダー・チクルス『一日の移ろい』から「朝」「正午の憩い」「夕べ」「夜」まではいずれもドレスデン・フィルハーモニーと当時の常任指揮者ミシェル・プラッソン及びベルリン・エルンスト・ゼンフ合唱団による1997年の演奏で、かつてEMIからリリースされた音源だが、現在ではブリリアントの全集でしか手に入らなかったものだけに再発を歓迎したい。

コーラス物としてはリュッケルトの詩による『ドイツ・モテット』『化粧室の女神』、シラーによる『夕べ』がエリック・エリクソン指揮、ストックホルム放送合唱団で、それぞれア・カペラで歌われる。

またオーケストラにオルガンが加わる『祝典前奏曲』はサヴァリッシュ指揮、フィラデルフィア管弦楽団による1993年のサントリー・ホール・ライヴで、演奏終了後の聴衆の興奮が伝わってくる熱演だ。

その他自作オペラからの抜粋及びアレンジは『グントラム』から「前奏曲」、ポプリ風『無口な女』、交響的幻想曲『影のない女』の3曲でジェフリー・テイト指揮、ロッテルダム・フィルによる1991年及び92年のセッションになる。

尚最後のCDはアンサンブル集でヴァイオリン・ソナタ変ホ長調をヴァディム・レーピンのヴァイオリンとボリス・ベレゾフスキーのピアノによる2000年のセッションから、そしてチェロ・ソナタヘ長調はロストロポーヴィチのチェロ及びヴァッソ・デヴェッツィのピアノによる1974年の録音で収めている。

前者はブラームス風で後者はシューマンの影響が感じられる多感な作曲家の若書きの作品である。

更にここではチェロとオーケストラのための『ロマンス』がアルト・ノラスのソロ、アリ・ラシライネン指揮、ノルウェイ放送管弦楽団による1998年の演奏も加わり、オーケストラ伴奏で演奏されることが滅多にない習作だ。

最後の2曲はどちらもルノー・カピュソンのヴァイオリンとフランク・ブラレーのピアノによる全曲中最も新しい2006年録音の編曲物『寂しき泉で』と『ばらの騎士からのワルツ』で、特に後者は一種のポプリだが両者のエスプリを利かせた粋な演奏が魅力的だ。

オーソドックスなプラスティックのジュエル・ケース入りで、曲目及び録音データの他に英、独、仏語によるコメントが掲載された15ページのライナー・ノーツ付だが、歌詞対訳等は一切省略されている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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