2016年06月29日

ハイティンク&コンセルトヘボウのブラームス、ブルックナー、マーラー:交響曲全集


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一昨年85歳を迎えたベルナルド・ハイティンクの記念企画のひとつで、彼と長期間に亘って最良の時代を築いた手兵アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団が、3人の作曲家の交響曲全曲を演奏したフィリップス音源の旧盤で統一された23枚組ボックスである。

先達て同じくユニヴァーサルからリリースされた20枚組の『フィリップス・イヤーズ』と収録内容を比較すると、ブラームスの交響曲第3番(1970年)、ブルックナーの第8番(ハース版1969年)、マーラーの第6番と第9番(1969年)の4曲のみがだぶっている。

またブラームスに関しては4曲の交響曲以外に『悲劇的序曲』『大学祝典序曲』『ハイドンの主題による変奏曲』、3曲の『ハンガリー舞曲』及び2曲の『セレナード』が加わっているので、ハイティンク・ファンであれば手に入れておきたいセットだ。

ブルックナーでは交響曲0番ニ短調を含む10曲が収録されているが、初期の習作的交響曲へ短調は含まれていない。

尚、更に同メンバーによるベートーヴェン、シューマン、チャイコフスキーを加えた36枚組も復活リリースされた。

ハイティンクがヨッフムと共にコンセルトヘボウの首席指揮者に就任して双頭体制が始まったのが1961年で、時を同じくしてヨッフムは既に第1回目のブルックナー交響曲全曲録音をベルリン・フィル及びバイエルン放送響と共に着々と進めていた。

若かったハイティンクにとって前任者ベイヌムやヨッフムのブルックナーへの情熱は大きな刺激だったに違いない。

ほどなく彼もその大事業に着手することになるが、このフィリップスへのセッションとヨッフムのグラモフォン盤には明らかな相違がある。

その頃のヨッフムが基本的にノヴァーク版を採用しているのに対して、ハイティンクは第9番を除いてハース版をベースにした古色蒼然とした響きの復活を試みているようだ。

ふたつの版については複雑な事情が絡んでいて一概にその良し悪しを判断することは不可能だが、曲作りにおいてもヨッフムが流動的に扱うテンポも、ハイティンクではより規則的で全体にスピード感があり、構築的というより開放的で垢抜けた感性が表出されている。

彼の要求に良く呼応しているのがコンセルトヘボウで、ハイティンクは後にウィーン・フィルやベルリン・フィルとも共演しているが、音響から言えばウィーン・フィルほど艶やかで官能的ではなく、またベルリン・フィルほど重厚絢爛ではないが、マイルドな音色の管楽器群、シックな弦楽部の調和といくらかナイーヴだが誠実な音楽で彼らならではの持ち味を出し切っている。

コンセルトヘボウは近年指揮者と楽員のグローバル化で、個人的なテクニックやアンサンブルの力量ではヨーロッパ最高峰のオーケストラになったが、彼らが伝統的に持っていた良い意味でのローカル色が失われつつあるのも事実だろう。

その意味でもこの3つの交響曲全集には彼らの最も象徴的な時代の記録が刻まれていると言えるのではないだろうか。

ライナー・ノーツは40ページほどで、英、伊語による3人の作曲家の交響曲についての簡易な解説とハイティンクのキャリア及び録音データが掲載されている。

このデータではブルックナーの第8番が1960年となっているが1969年の誤りと思われる。

フィリップスの音質は極めて良好で、ボックス・サイズは13X13X6cmでモスグリーンを基調にしたシンプルな装丁。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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