2016年07月15日

クイケン&ラ・プティット・バンドのバッハ:管弦楽組曲(全曲)


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ラ・プティット・バンドの新録音によるJ.S.バッハの『管弦楽組曲』全曲を1枚のCDに収めたもの。

最近の彼らの演奏で顕著なことは、演奏者数を当時の宮廷楽団の慣習に則り、各パートの奏者をぎりぎりまで絞り込んで、従来の管弦楽というイメージよりもむしろアンサンブルに近い形態をとり、曲の解釈の面でもあらゆる面で誇張のない、よりインティメイトな雰囲気でのバッハの再現を試みていることであるが、その基本姿勢はこの曲集でも全く変わっていない。

リーダーだったグスタフ・レオンハルト亡き後も彼らはシギスヴァルト・クイケンを中心に衰えをみせない活動を続けているが、こうした演奏にレオンハルト譲りの厳格さと共に、彼ら自身が古楽を楽しむ洗練された究極の姿を観るような気がする。

それはまた彼らがこれまでに辿り着いた研究の成果を実践に移したものとしても興味深い。

オーケストラのそれぞれのパートを見ると、第1、第2ヴァイオリンが2名ずつ、ヴィオラ1名、通奏低音としてはバス・ドゥ・ヴィオロン2名とチェンバロのみである。

基本的にこの8人の他に曲によってバッハが指示したトランペット、ティンパニ、オーボエ、ファゴット、トラヴェルソが順次加わるが、習慣的に任意で加えることができるリュートやテオルボなどは一切省いた簡素な編成が特徴的である。

またそれほど重要でないと判断された序曲での繰り返しを避け、無駄と思われる装飾や表現も思い切って削ぎ落としたシンプルそのものの解釈で、足早のテンポ設定と相俟って現在の彼らの虚心坦懐の境地を窺わせている。

しかし響きは素朴であっても素っ気ない演奏とは違い、対位法の各声部を明瞭にしてしっかりした音楽構成を感知させている。

それだけに当時バッハがイメージしていた音像がダイレクトに伝わってくるような気がする。

組曲第2番ロ短調の「ロンド」ではフランス風のイネガルを取り入れてこの珠玉の小品に精彩を加え、終曲「バディヌリー」では逆にテンポを落としてソロの名人芸を聴かせるよりもアンサンブルとしての調和を図っているようだ。

2012年のセッションで、会場になった教会の豊かな残響をある程度取り入れているため、ごく臨場感に溢れた録音ではないが音質には透明感が感じられ極めて良好。

ピッチはa'=415Hzのスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

アクサン・レーベルの新譜はデジパックで統一されていて、差し込まれたライナー・ノーツにはシギスヴァルト・クイケンによるバッハの『管弦楽組曲』についての歴史的な考察が掲載されている。

そこには第2番が当初トラヴェルソ用ではなく、ヴァイオリン・ソロが加わったイ短調の組曲だったことも述べられている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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