2016年08月06日

パールマン・コレクション


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ソニーから10枚組のオリジナル・ジャケット・コレクションとしてリリースされたセットからモーツァルトの交響協奏曲を除き、初期のレコーディングから数曲を追加して9枚にリカップリングしたもので、半額以下の廉価盤で復活したことを歓迎したい。

勿論今回は完全節約企画のためジャケットは総て同一でライナー・ノーツも省略されているが、装丁のオリジナリティーなどを度外視した内容重視のシンプルな企画は、インターネット等によってあらゆる情報が入手可能な時代にあって、パールマン・ファンのみならずクラシック入門者にとっても朗報に違いない。

このセットではニューヨークのウェブスター・ホールで1965年に行われた最初期のセッションを皮切りに、1998年の映画音楽のテーマ曲集に至るパールマンの長いキャリアをカバーしたヴァイオリン奏法のエッセンスが満載されている。

パールマンの演奏には屈託がなく、常に余裕を持った輝かしい響きを縦横に駆使した表現が特徴的だが、このセットでは彼が19歳の時に録音したパガニーニの3曲の『カプリース』が、1972年にEMIに録音した全曲盤に比べてかえって生々しくスリリングな面白さがある。

一方アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団とのラヴェルの『ツィガーヌ』は1968年のもので、やはり1974年にEMIに入れたマルティノン、パリ管との幻想豊かな協演に比較して、より機能的で古典的な仕上がりになっている。

プロコフィエフの協奏曲第2番は1966年のラインスドルフ、ボストン交響楽団、2曲のソナタはアシュケナージとの1969年のセッションでいずれも若き日のパールマンの瑞々しい記録だ。

尚1枚目のバッハとヴィヴァルディの協奏曲はアイザック・スターン及びピンカス・ズーカーマンが加わる1980年のニューヨーク・ライヴで会場に集まった聴衆から盛大な拍手が送られている。

一流どころのヴァイオリニストの中でもパールマンほどクラシック以外のジャンルに情熱的に取り組んだ演奏家もいないだろう。

それは彼のサービス精神旺盛で気さくな性格の証しでもあるわけだが、彼はまた聴き手の心を巧みにつかみ取る狡猾とも言うべき術を熟知している。

逆に言えばそれだけ彼の苦難を強いられた人生経験が、特有の優しさと説得力を持った音楽を生み出させているに違いない。

最後の映画音楽を収めた1枚は、彼自身がサウンド・トラックの制作に参加した『シンドラーズ・リスト』のテーマを始めとして『ニュー・シネマ・パラダイス』の愛のテーマや『呪いの家』の星影のステラ、そして『シェルブールの雨傘』などは映画の名シーンが目に浮かび、思わず溜息が出るような美しさと哀愁に満ちていて理屈抜きに感動的だ。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 01:26コメント(0)トラックバック(0)パールマン  

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ