2016年09月28日

アバド&モーツァルト管のモーツァルト:交響曲集


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既に巨匠の域に達していたクラウディオ・アバドが2004年に自ら設立した若手演奏家で構成されたオーケストラ、モーツァルト管弦楽団を率いてこの作曲家の交響曲や協奏曲を晩年の数年間に集中的に録音している。

円熟期の彼が若い音楽家を相手にモーツァルトを仕込んでいく仕事は、後進の育成という意味ではひとつの理想的な姿と言えるだろう。

何故なら古典の基本であるモーツァルトの演奏技術の習得が、その他のあらゆる作曲家の作品の演奏に応用できるとされているからだ。

2005年と2006年のライヴからのこの録音では交響曲第35番ニ長調『ハフナー』、同第29番イ長調、同第33番変ロ長調、同第38番ニ長調『プラハ』及び第41番ハ長調『ジュピター』の5曲が2枚のCDに収められている。

尚2008年、2009年録音分の第39番変ホ長調と第40番ト短調も既にリリースされている。

これまでの欧米の名立たるオーケストラとの協演と基本的に異なっている点は、彼がピリオド奏法を取り入れていることだ。

彼自身が組織したこのオーケストラの目的のひとつは先に述べた後進の育成だが、またもうひとつのアバドの構想は音楽の原点に戻ってモーツァルトの作品をもう一度見直すことによって、晩年の彼の音楽観の変化の具体的な集大成を試みることではなかろうか。

それにはウィーン・フィルでもベルリン・フィルでもない、細部まで自分の意向を忠実に追って再現してくれるオーケストラが必要であり、大指揮者や歴史的なオーケストラの権威や慣習とは直接関わり合いの無い新進気鋭の彼らを使って、純粋な音楽の喜びを体現することに腐心できるという彼の矜持がある筈だ。

全体的な印象は、明るく軽快な響きを創造する手法は以前と少しも変わらないが、よりシンプルで言ってみれば風通しの良い音楽作りに徹していることだ。

それを支えているのがピリオド奏法で、ヴィブラートを最小限に抑え、音価を必要以上に引き伸ばさず小気味良い歯切れの良さを活かしている。

特に大作『ジュピター』では厚化粧を捨て去って意外なほど軽妙な感覚が貫かれていて、結果的にモーツァルトのオーケストレーションがガラス張りになって見えてくる。

ことさら重厚でもなければもったいぶったところもないが、アバドのきめ細かな指示が隅々まで行き届いていて、モーツァルトを愛する人にはその明快さゆえに広く受け入れられるに違いない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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