2016年10月14日

マズアのメンデルスゾーン:交響曲全集(ゲヴァントハウス)/弦楽のためのシンフォニア全集(コンツェルト・ケルン)


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昨年亡くなったクルト・マズア追悼盤のひとつでユニヴァーサルのベートーヴェン交響曲全集と同時にリリースされたが、こちらはワーナーからの6枚組。

5曲の交響曲のオーケストラは彼の手兵だったライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で、後半に収録された弦楽合奏のための13曲のシンフォニアはピリオド・アンサンブル、コンツェルト・ケルンとの演奏になる。

ゲヴァントハウスはザクセンではシュターツカペレ・ドレスデンと並ぶ古い伝統を持った楽団であることは周知の通りである。

メンデルスゾーン自身がカペルマイスターを務めて以来ニキシュ、フルトヴェングラー、ブルーノ・ワルター、コンヴィチュニー、ノイマン、そしてマズアの後にはブロムシュテット、シャイーなどそうそうたる指揮者が就任していて、ライプツィヒの質実剛健な文化を象徴する存在でもある。

尚このセット後半のシンフォニアは録音自体が少ないので全曲録音は有難いし、メンデルスゾーンが作曲した交響曲の名を冠した総ての作品が揃うことになる。

1987年から96年にかけてのディジタル録音で前半3枚の音質はやや芯に欠けるところがあるが概ね良好。

メンデルスゾーンの音楽にはモーツァルトにも通じるインスピレーションの迸りが何物にも遮られずに直接鳴り響いてくるようなフレッシュな感覚がある。

それを活かすには表現の厚化粧は禁物で、音楽を必要以上に立派に聴かせようとしたり深刻さを強調しようとすると、特有の軽快さが失われてあざといものになってしまいがち。

だが、マズア&ゲヴァントハウスの演奏は洒落っ気こそないが素朴で骨太なサウンドを武器に、作品のシンプルな側面と曲想の自然な流れを蔑ろにすることなく、逆に軽佻浮薄になることも巧みに避けている。

マズアはこの辺りを充分に心得ていた指揮者だったのではないだろうか。

確かに彼らより洗練され、しかもゴージャスな演奏はあるだろうが、メンデルスゾーンの音楽が持っている必然性を感じさせてくれる最良のサンプルのひとつとして聴くべき価値があると思う。

同様に作曲家が僅か14歳までに書き上げた習作的な13曲の弦楽のためのシンフォニアは、バッハの対位法を学んだ早熟の天才が示した溢れ出るような楽想を、ピリオド楽器の古風な音色と奏法でストレートに引き出した演奏だ。

聴き進めていくと最初はバロック風だが次第に個性的な作風へと急速な成熟を遂げているのが興味深い。

第11番のスケルツォ『スイスの歌』のみはパーカッションが加わるバロック・マーチに仕上げている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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