2016年11月02日

ルージィチコヴァのバッハ:レコーディング集(20枚組)


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筆者が最初にルージィチコヴァの録音を聴いたのはブランデンブルク協奏曲第5番と三重協奏曲のカップリングでエラートから高品質LP盤としてリリースされたランパル、スーク、プラハ合奏団のものだった。

その典雅な美しさは現在でもモダン楽器によるアンサンブルでは最も魅力的な演奏だと思う。

その後同シリーズから彼女のゴールトベルク変奏曲が出て、その才気煥発な表現にバッハへの新しい解釈を感じ取ることができた思い出がある。

古楽復興の黎明期にあって、彼女の演奏はネーデルランド派の楽理的な研究やドイツの伝統的なオルガン音楽に基礎を置く演奏家達とも一線を画した、聴いて心地よく溌剌とした演奏がバッハの音楽を理屈抜きに楽しませてくれた。

この20枚には平均律クラヴィーア曲集全2巻、パルティータ、イギリス、フランス組曲それぞれの全曲、ゴールトベルク変奏曲、イタリア協奏曲、半音階的幻想曲とフーガ、フランス風序曲などをメインに、普段聴くことができないヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲からのアレンジになるチェンバロ独奏用協奏曲集などバッハのチェンバロ用主要作品が網羅されている。

ソロ以外では上記した2曲の協奏曲の他にフルニエとの3曲のチェロ・ソナタ及びスークとのヴァイオリン・ソナタ6曲を収録している。

ピリオド楽器が主流の現在のバロック音楽演奏では、モダン・チェンバロはもはやソロだけでなくアンサンブルからも追いやられてしまったが、選択肢に乏しかった1970年代初期までは一流どころのチェンバリストも便宜上モダン楽器を使っていた。

しかしノイペルトに代表されるように鋳鉄の大型フレームから響く音量は厚かましいほど大きく、人工的でキンキンした音色はいかにも代用品といった代物だった。

一方ヒストリカル・チェンバロは言うまでもなく大量生産された規格品ではないので、それぞれに個性があり響きも奥ゆかしく繊細で美しいが、製作台数が少ないだけでなく専門職人による修復が必須で、それに伴う特注部品による楽器のメンテナンスや所有者との貸借交渉などを考慮すればモダン・チェンバロ一台を購入するより遥かに高いコストがかかってしまっただろう。

またヒストリカルには独自の奏法が求められるので、チェンバリストにもテクニックのさらい直しという負担が生じた筈だ。

ルージィチコヴァの全盛期には、メカニズムとマテリアルは合理的に改変されているが、音色の欠点をカバーした改良型も登場している。

彼女がこの録音で弾いているヒストリカルはエムシュのみで他はアンマー、シュペルハーケ、ノイペルトのモダン楽器になる。

ヒストリカルの忠実なコピーの製作が一般的になるのは更に数年を待たなければならなかった。

しっかりした装丁の引き出し式ボックスにデザインなしのカラフルなジャケットで収納され、22ページほどのライナー・ノーツには演奏曲目一覧と英、仏、独語による簡易なコメントが掲載されているが、録音データ及び使用楽器はそれぞれのジャケットのみに記載している。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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