2016年11月07日

B・クイケンのフランス・トラヴェルソ作品集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ベルギー出身でレオンハルト亡き後のバロック音楽のネーデルラント派としての再現を研究し牽引してきたのがクイケン3兄弟だが、ここ数年では新録音はめっきり減って後進の指導に当たっていることが想像される。

三男のバルトールド・クイケンも現在66歳で、ここにまとめられた11枚のCDは彼がこれまでアクサン・レーベルからリリースしてきた音源のうちフランスの作曲家の作品を集めたものになり、新しい録音ではないことを断っておく必要があるだろう。

また同時にテレマンの作品をまとめた4枚組も企画されている。

クイケンがその奏法の復元を試みたトラヴェルソは、昨年亡くなったブリュッヘンのリコーダーと並ぶ古楽復興には欠かせない重要な木管楽器だったことは言うまでないが、このふたつの楽器の蘇生によって古楽黎明期を力強く支え発展させた彼らの功績は計り知れないものがある。

クイケンはトラヴェルソの欠点であった不安定な音程や少なからず混乱をきたしていた気まぐれとも言えるピッチの問題をひとまず解決に導き、ソロ楽器として充分活用できるだけの基本的なテクニックを開拓した。

そうした彼の研究と実践がこのアルバムに最良のサンプルとして示されていると言えるだろう。

クイケンのフランス物への解釈は、オットテールの演奏に代表されるように装飾音やイネガルを注意深く取り入れて誇張を避けたあくまでも軽妙洒脱な音楽を再現していることだ。

但し、ルイ王朝の奢侈や宮廷生活の思いがけない倦怠感までも描き出したバーゼルゼットの、より濃密な演奏に比べると、ややあっさりし過ぎているように感じられる。

むしろ彼の実力は2枚のルクレール・ソナタ集と最後のドゥヴィエンヌのフルート四重奏に示されている。

前者ではロマン派以降のフルーティストによって歪められてしまったバロック音楽としてのルクレールのオリジナリティーを復活させた模範的な演奏だし、後者はピリオド楽器アウグスト・グレンザーの機能を駆使した華麗なアンサンブルが聴きどころだ。

ここではまた自由闊達にバロック・ヴァイオリンを弾く寺神戸亮のリーダーシップも特筆される。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:59コメント(0)トラックバック(0)クイケン  

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ