2017年01月08日
アレッサンドリーニのバッハ:小前奏曲&フーガ集
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モンテヴェルディのマドリガルの体系的な録音やピリオド・アンサンブル、コンチェルト・イタリアーノの指揮者として活躍するリナルド・アレッサンドリーニが、普段はそれほど熱心に録音されないバッハの小前奏曲とフーガを1組にした15曲を収録したアルバム。
彼のチェンバリストとしての腕前は既に『ブランデンブルク協奏曲』第5番のソロで披露されているが、今回のようなバッハのソロ・アルバムは初めてのようだ。
しかも大曲『平均律』ではなく際物を扱ったところに肩透かし的なアイデアが感じられる。
しかし丁寧に弾き込まれた曲集は1曲1曲がバラエティーに富んだ個性を主張していて、このCDのように幾つかの異なった調性の前奏曲とフーガを注意深く連続させると『平均律』にも劣らない立派なクラヴィーア曲集が出来上がってしまう。
アレッサンドリーニはこうしたところにも着目していると思われる。
殆んどが個別に作曲された同じ調性による小規模の前奏曲とフーガを任意に連結して全部で15曲に仕上げたものだが、主として前奏曲はBWV924-932の9曲、BWV933-938の6曲、そしてBWV939-943の5曲に纏められて出版された小前奏曲集からピックアップされている。
一方フーガにはBWV948ニ短調のように足鍵盤付チェンバロ用、あるいはアルビノーニのテーマをもとにしたBWV946ハ長調やBWV951ロ短調も含まれていて、特に後者は半音階的な大規模な作品になっている。
バッハは長男フリーデマンを始めとする生徒達のために教育用の作品を少なからず作曲している。
しかしバッハ自身が言った最高の教材は最高の芸術作品でなければならないという言葉を証明するように、こうした小曲にもそれぞれに固有の高い音楽性が備わっていることも確かだ。
ライナー・ノーツには使用楽器もピッチもクレジットされていないが、ヒストリカル・チェンバロのコピーであることは明らかで、a'=400Hz程度の低いピッチを採用しているために豊潤で落ち着いた響きが得られている。
全曲2015年12月2日から5日の間に集中的に録音された音源で音質は鮮明。
詳しい演奏曲目については、上のアマゾンのページのイメージ欄にデジパックの裏面の写真が掲載されているので参照されたい。
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