2017年01月22日

ライナーのR・シュトラウス全集


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ライナーはR・シュトラウスを特に十八番と言えるレパートリーのひとつとしており、残された録音は、いずれも誉れ高く、かけがえのない名盤にほかならない。

なかでもシカゴ交響楽団との演奏は、この黄金コンビの名に恥じることがない堂々たる存在感があり、現在においても傑出した素晴らしい名演と高く評価したい。

ライナーはドレスデン国立歌劇場の音楽監督時代(1914〜21)に親交があったR・シュトラウスの主要な作品をほとんど録音している。

R・シュトラウスの様式感の特徴や独自性をまるで自分のものであるかのように巧みに把握したライナーは、シカゴ交響楽団のブレンドの良い引き締まったサウンドと精巧極まりないアンサンブルを駆使して、ほとんど非の打ちどころのない作品の再現を可能たらしめている。

ライナーの演奏は響きや表情を必要以上に磨け上げたり、華美すぎることがなく、その抑制の利いた演奏は作品の本質を深く鋭く表現していて、全く過不足がない。

尤もライナーのアプローチは、華麗なるR・シュトラウスのオーケストレーションをいかに巧みに音化するのかに主眼を置いているように思われる。

そのためには、技量が高いオーケストラが必要不可欠であり、その意味でもシカゴ交響楽団の存在は極めて大きいものであった。

鉄壁のアンサンブル、ブリリアントな金管楽器の響きなど、当時スーパー軍団として世に馳せていたシカゴ交響楽団の技量を最大限に発揮させているところであり、本演奏はまさにオーケストラ演奏の極致とも評価し得ると考えられる。

技量だけに着目すれば、カラヤン&ベルリン・フィルによる名演にも比肩し得る演奏と言うことが可能であろう。

ただ、オーケストラの音色の味わい深さにおいては、この当時のシカゴ交響楽団の音色には艶やかさはあったものの、ベルリン・フィルの方に一日の長があるのではないだろうか。

また、カラヤンの指揮の方が適度に流麗なレガートを駆使するなどより官能的な味わいがあり、筆者としては、カラヤン&ベルリン・フィルの演奏の方を圧倒的な音のドラマとしてより上位に置きたいと考える。

もっとも、これは非常にレベルが高い名演どうしの比較であり、本演奏の評価自体を貶めるものではないことに留意しておく必要がある。

表面上の華やかさという点では、多少割り引かれる要素があるかもしれないが、よく鍛え上げられたオーケストラから生まれる隙のない構成力、無駄なく引き締まった表現力は、この演奏に卓越した底力を与えていて、聴く度に得るところのある演奏と言えるだろう。

どの作品をとっても文句のつけようのない内容であり、座右に置いていつまでも味わいたい演奏になっているが、特にライナーがシカゴ交響楽団の音楽監督に就任して間もなく録音された『英雄の生涯』と『ツァラトゥストラ』(1954年)は、オーケストラを既に完全に掌握し、その能力を余すところなく発揮させているのに改めて驚く。

2曲とも考えられない熱気と興奮にあふれていて、楽員全員が指揮者のもとに一致結集し、うねるような気迫で歌い上げた名演で、オーケストラ音楽が男の芸術だった時代の記念碑的な録音だ。

他に先駆けてステレオ録音を開始したRCAの初期の録音の中でも、この2曲は演奏・録音ともに優れたものであり、歴史的価値も少なくない。

『エレクトラ』及び『サロメ』抜粋は、ライナーのオペラ指揮者としての手腕を確認させる、身も凍るような演奏で、作品の核心に一歩一歩にじりよっていく熱気があり、聴き手も抗し難い磁力に引き寄せられるかのようであるが、表情豊かなオーケストラ、鬼気迫る歌声を聴かせるボルクも素晴らしい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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