2017年04月21日

シューリヒト・デッカ・コンプリート・レコーディング集


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カール・シューリヒト没後50周年記念ボックスはリリース前の触れ込みでは10枚総てが当時のデッカが誇ったハイファイ、f f r r フル・フリクェンシー・レンジ・レコーディングスということだった。

但しライナー・ノーツによると実際には、[CD1]ベートーヴェン:交響曲第2番、[CD2]同『コリオラン』序曲、[CD4]ブラームス:二重協奏曲、[CD5]ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲、[CD6]ウェーバー:『アブ・ハッサン』序曲、[CD7]シューマン:『マンフレッド』序曲の6曲に関してはメタル・マスターから製作したマザーではなく78回転シェラックSP盤からの板起こしである。

再生されるオーケストラ自体の音質は確かに芯があり奥行きも感じられるが、テープ録音以前の音源の宿命とも言える相当のスクラッチ・ノイズを伴っていてかなり煩わしいものもある。

尚これら6曲と最後のワーグナー演奏集はデッカの公式初CD化になる。

f f r r の効果が最も際立っているのは[CD2]ブラームス:交響曲第2番、[CD6]メンデルスゾーン序曲集、[CD8]シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ、交響曲第2番、[CD9]チャイコフスキー演奏集、[CD10]ワーグナー劇場作品のコンサート・バージョンと、このセットでは唯一のステレオ音源になる[CD7]モーツァルト:交響曲第35番『ハフナー』及びシューベルト:交響曲第8番『未完成』で、それぞれの楽器の独立性やしっかりした厚みのある音像は高く評価したい。

ワーナーから出ているイコン・シリーズの8枚組とはレパートリーもだぶりが少ないので、この2セットがシューリヒト・ファンには欠かせないコレクションになるだろう。

戦前戦後にかけて活躍したドイツ人指揮者としては珍しく、シューリヒトは恣意的なテンポ設定を避け、淀みない奔流のような演奏を実践した指揮者だった。

そこには彼の時代にあって異例とも言える新時代の音楽観を先取りした怜悧な解釈を聴き取ることができる。

オーケストラを統率する手腕も流石で、それぞれのパートからドイツ的な溜めや重厚さよりも流麗で勢いのあるアンサンブルを引き出しながらも、軽佻浮薄とは縁のない明確な造形と生命力に溢れるサウンドを創り上げている。

そこが現代の私達にも容易に受け入れられ、高い評価を得ている理由だろう。

協演では2曲のブラームス、バックハウスとの堅牢なピアノ協奏曲第2番とフェラスと組んだ柔軟なヴァイオリン協奏曲が対照的だ。

またオーケストラではシューリヒトと縁の深かったウィーン・フィル、ロンドン・フィル、スイス・ロマンド、パリ音楽院の個性が発揮された貴重な音源が復活しているのも幸いだ。

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