2017年05月23日

レ・ヴァン・フランセーのアンサンブル集(3枚組)


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この3枚にはレ・ヴァン・フランセーの古典から20世紀に至る迄の幅広いウィンド・アンサンブルのレパートリー8曲が収められている。

レギュラー・メンバー6人(フルートのエマニュエル・パユ、オーボエのフランソワ・ルルー、クラリネットのポール・メイエ、ホルンのラドヴァン・ヴラトコヴィチ、ファゴットのジルベール・オダン、ピアノのエリック・ル・サージュ)の個人的な実力だけでなく、彼らの合わせのテクニックや音色の輝かしさ、また変化する陰翳の豊かさと軽妙洒脱な表現力が鮮やかに示された極めて充実したアルバムになっている。

バジェット価格に抑えられているので彼らの演奏を初めて聴く方のためのサンプラー盤として、また室内楽の入門者にも是非お薦めしたいセットだ。

CD1は彼らが最も得意とするフランスの作曲家の作品集で、流石にその磨き抜かれた音色と精緻だが柔軟で瑞々しいアンサンブルが美しい。

アンサンブルから醸し出されるカラフルでコケティッシュな雰囲気は水を得た魚のような彼ら独自の世界を展開している。

3枚の中でもメンバー全員の洒落っ気と遊び心が最高度に発揮されているアルバムだろう。

こうした演奏に魅力を感じる方なら、別途にリリースされているピアノの加わらない管楽器奏者5人のみによるフランス及び世紀のウィンド・アンサンブル作品集の2枚組も欠かすことのできない選択肢になるだろう。

幸いこのCDとの収録曲のだぶりがないのもコレクターにとっては好都合だ。

CD2はモーツァルトとベートーヴェンのピアノと管楽器のための五重奏曲で、この2曲に関しては過去にも名盤があった。

例えば前者にはフィリップスのモーツァルト・エディションにも加えられていたブレンデル、ホリガー、ブルンナー、バウマン、トゥーネマンの名演があるし、後者で興味深いものを挙げれば、彼らと同様フランス系のアンサンブルとしては1993年に巨匠リヒテルとモラゲス管楽五重奏団が協演した素晴らしいフィリップス盤が存在する。

聴き比べるとリヒテルの泰然自若として流麗なピアノが扇の要になってモラゲスとの調和が絶品で、気品においてもまた高い音楽性でも決して引けをとっていない。

またもう少し古い例ではドイツ・グラモフォンのベートーヴェン・エディション第14巻にレヴァインとアンサンブル・ウィーン=ベルリンの演奏があり、そちらもシェレンベルガー、ライスター、ヘーグナー、トゥルコヴィッチという錚々たるメンバーの卓越した演奏が聴き逃せないだろう。

尚レ・ヴァン・フランセーのベートーヴェン・アルバムにはこの曲は収録されていない。

CD3はテュイユの六重奏曲とリムスキー=コルサコフの五重奏曲で、前者は多少時代遅れなロマンティシズムがやや凡庸な印象を与えるが、聴き進めていくとテュイユの楽器の特性を熟知した流麗でしかも手馴れた対位法のテクニックが示された秀作だと思える。

寓話的なラルゲットから終楽章ヴィヴァーチェは、6人のメンバーによってテーマが次々と引き継がれる華麗な展開部が聴きどころだ。

一方後者はリムスキー=コルサコフがロシア音楽協会のコンクールに提出した作品で、作曲家の若々しい推進力を持った一風変わった奇抜な楽想を良く反映して、意気揚々としたパッセージが快適に再現されている。

中間楽章はレ・ヴァン・フランセーの暖色系で洗練を極めたアンサンブルではスラヴの抒情というわけにはいかないが、むしろ諧謔的で活発な終楽章ロンドに彼らの本領が発揮されていると言えるだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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