2017年05月29日

ジュリーニ&バイエルン放送響のハイドン:交響曲第94番『驚愕』/ラヴェル:『マ・メール・ロワ』組曲


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独ヘンスラーのプロフィール・レーベルはカルロ・マリア・ジュリーニが壮年期に手掛けた演奏を独自のリマスタリングで次々と復活させている。

中でも彼がドイツで客演した放送用ライヴ音源はマスター・テープの保存状態も良く、1960年代以降の音源は総てがステレオ録音であるために音質にも恵まれ、また聴衆からの雑音も一切混入していない。

このディスクに収録された2曲はどちらも1979年1月26日というデータの記載があり、録音会場全体の残響が程好く入ったオフ・マイク気味の採音なので、臨場感に溢れるような音場とは言い難い。

しかしながらオーケストラのバランスは非常に良く、ホールで聴いているような明瞭で自然な奥行きのある音響が得られていて、また繊細な弱音から総奏の時の迫力にも不足していない。

既に定評のあるヘンスラーのリマスタリングも納得できる仕上がりになっている。

ハイドンの『驚愕』でジュリーニは作曲家円熟期のジオメトリックで巧妙なオーケストレーションを整然とした古典的な造形美で聴かせていて、模範的とも言える均衡を保った第1楽章では一切の誇張も感じられないが彼ならではの音楽性の豊かさと情熱が滲み出ている。

また厳格な中に愉悦と愛嬌を示した第2楽章、いくらか鄙びたレントラー風の速めで力強いメヌエットや終楽章のスケールの大きい躍動感までが古典派の交響曲の美学から全く逸脱することなく統合されている。

一方ラヴェルの『マ・メール・ロワ』はジュリーニ一流のデリカシーが反映された、超自然的でメルヘンチックな美しい幻想が描き出されている。

敢えて言えばラテン的な温もりは感じられず、遊び心を抑えたクールな雰囲気を漂わせているが、これはオーケストラがバイエルン放送交響楽団だからかも知れないし、そこには情に溺れないジュリー二の厳しい一面も表れている。

5つの個性的な小品はそれぞれが磨き上げられた小さな宝石のような輝きを放っていて、それらの変化と対比が興味深く、特に終曲のクライマックスに導かれる絢爛たるフィナーレが印象的だ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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