2017年06月04日

マズア、ゲヴァントハウス東独時代のオイロディスク音源16枚


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2015年に亡くなった指揮者クルト・マズアの追悼盤はこれまでにユニヴァーサル・イタリーからのベートーヴェン交響曲集及びワーナーからのメンデルスゾーン交響曲集のそれぞれ全曲集がリリースされていて、それらの殆んどがベルリンの壁崩壊を前後して録音されたものだ。

一方こちらのオイロディスク音源はいずれもライプツィヒがまだ東ドイツに属していた1970年代の演奏で、メンデルスゾーンは第1回目の全集になる。

ブルックナーに関しては2014年にソニー・クラシカルから廉価盤化された9枚組と同一音源なので、そちらを購入済みの方は注意されたい。

マズア壮年期の堅牢ですっきりしたオーケストラ統率と頑ななまでの正面切った解釈、そしてこの頃のゲヴァントハウス管弦楽団も良い意味でのローカル色、つまり飾り気こそないが深みのある豪快な表現力に魅力がある。

ウィンド、ブラス・セクションの音色は西側のオーケストラより素朴だが、真摯で古風な風格を備えていてバッハ以来の音楽都市ライプツィヒの伝統の重みを感じさせるのも事実だ。

マズアは映画『クラシック音楽と冷戦』の中でインタビューを受けているが、それによれば彼は当局の方針をはぐらかしながら音楽活動をしていたことが理解できる。

だからこそベルリンの壁が崩壊した時、先頭に立って人権の自由と開放の喜びを宣言したのだろう。

こうした1人の芸術家としての頑固な信念も彼の指揮に反映されているのではないだろうか。

その象徴的な演目がベートーヴェンの『フィデリオ』で、当時の彼らの自由への隠された憧憬が強く印象に残る演奏だ。

ブルックナーでの一切の誇張を避けた真っ正直な指揮からは濁りのない純正な音楽のダイナミズムが築かれていて、一過性の熱狂とは異なったより普遍的な感動を呼び起こす。

メンデルスゾーンはかつてのゲヴァントハウス管弦楽団の楽長だったし、またシューマンの交響曲は第3番を除く3曲は同オケが初演を飾った作品なので、彼らの伝家の宝刀とも言うべき貫禄を示した磐石な表現に説得力がある。

ここではまたシューマンの珍しいレパートリー、ゲーテの叙事詩から構想され、フランス国歌『ラ・マルセイェーズ』が使われた序曲『ヘルマンとドロテーア』が思いがけないボーナスだ。

尚バジェット・ボックスということもあり残念ながらライナー・ノーツは省略されているが、音質はリマスタリングの効果もあり鮮明で極めて良好。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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