2017年06月18日

ジュリーニ&バイエルン放送響のブラームス:交響曲第1番


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独ヘンスラーのプロフィール・レーベルからリリースされているカルロ・マリア・ジュリーニがドイツのオーケストラに客演したラジオ放送用ライヴ録音シリーズのひとつ。

1979年1月26日に収録された質の良いステレオ音源は、大手メーカーのセッション録音に引けを取らない音質が再現されているし、また鑑賞の時に煩わしい聴衆からの雑音は一切混入していないのも幸いだ。

プロフィール・レーベルのリマスタリングには定評があり、それはこれまでにリリースされたジュリーニがドイツの放送局に遺した幾つかの音源でも証明されている。

この録音でも音場が広く分離状態も良くオーケストラのそれぞれの楽器配置も明瞭で、確かにやっつけ仕事ではない良心的で丁寧な仕上がりが感知される。

唯一の弱点を挙げるとすれば収録曲がブラームスの交響曲第1番ハ短調の1曲のみというところだろう。

ジュリーニは若い頃オペラからオーケストラル・ワークに至るかなりのレパートリーを持っていたが、年と共にそれらを厳しく収斂していった指揮者なので、こうした音源の発掘は歓迎したい。

ブラームスはジュリーニが得意としていた作曲家の1人で、交響曲第1番に関しては、フィルハーモニア管弦楽団(1961年)、ロスアンジェルス・フィル(1981年)、ウィーン・フィル(1991年)とそれぞれスタジオ録音している。

ここでのジュリー二の指揮は難解に感じられる部分が全くない明快なもので、冒頭からメリハリを利かせた起伏のあるダイナミズムの中にブラームスの演奏には異例なほどの鮮やかな色彩感を反映させている。

テンポの采配もかなり自由で、第2楽章後半のヴァイオリン・ソロとホルンのユニゾンではカンタービレを充分に奏でる流麗な抒情が美しいし、終楽章のテーマもテンポを抑えて悠々とした歌心を披露している。

ジュリーニは音楽を理詰めで聴かせるタイプの指揮者ではなく、あくまでも作曲家のオーケストレーションの妙を引き出し、それを最大限活かしながら表現する、言ってみれば感性が主導する解釈が支配的だが、その一方で音楽の起承転結を疎かにせず作品を弛緩させることのない巧妙なバランス感覚が彼の美学でもある筈だ。

その結果オーケストラの重厚さやほの暗さによって表されるブラームスの諦観よりも、むしろ平明だがより開放的なサウンドが特徴だろう。

ジュリーニはまた、ブラームスの作品独自の重厚な音構造、和声感覚、ディテールの入念な動きをことごとく表出しながら、伴奏音型、対旋律、普通なら目立たない楽句も手にとるように表現している。

それもバイエルン放送交響楽団がジュリーニの手足の如く自在に力量を発揮し、緻密な演奏をする姿勢がなければ不可能だが、事実、オケは極めて質の高い水準を示している。

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