2017年07月02日

ムラヴィンスキー・エディション第3集


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ドイツの放送局で発掘されつつある旧ソヴィエト音源によるムラヴィンスキー演奏集は第3集目を迎え、それぞれが6枚組なので今回で都合18枚をリリースしたことになる。

このシリーズは初出音源を含む保存状態の良いマスターから独自のリマスタリングで制作する比較的安価なセットだし、勿論それぞれが貴重な演奏には違いない。

しかしこの6枚は一番新しい1961年のバッハの管弦楽組曲ロ短調がかろうじて擬似ステレオで、将来的に初出音源が追加されたとしても、熱烈なムラヴィンスキー・ファン専用の資料あるいは好事家のコレクションという印象が無きにしも非ずで、決して入門者用のシリーズとは言えない。

日進月歩のオーディオ技術の恩恵を享受している私達の耳には1940年代の音源を熱心に鑑賞するのがかなり忍耐の要る作業であることは否めないだろう。

しかしながら演奏は今回もセッション、ライヴ共に掘り出し物揃いで、CD4のワーグナー(1958年)とチャイコフスキーの交響曲第4番(1957年)などの入手困難な音源が新規のリマスタリングでかなり良い状態に改善されている。

中でも後半3枚に収録されたスクリャービン、ブルックナーがモノラルながら鮮明な音質で甦っているのは嬉しい。

尚ショスタコーヴィチがムラヴィンスキーに献呈した交響曲第8番も1947年の古い録音だが、同時代の他の曲目に比べて例外的にクリアーな音質が得られ、LP盤で聞かれた音割れも巧妙に避けられている。

この曲の初演は1943年にムラヴィンスキー自身の指揮とソヴィエト国立交響楽団で行われたが録音は残されていないようで、その後ジダーノフ批判の対象になったために、彼の再演は1960年を待たなければならなかった。

言ってみれば初演時の解釈と当時の政治的な緊張感をイメージさせる貴重な証言でもある筈で、記録的にも貴重である。

最終的にショスタコーヴィチの交響曲の約半数、7曲を初演したムラヴィンスキーは、作曲家晩年の回想では理解していないと非難されたが、作品の普及に大きく貢献したことは事実である。

一方バッハの管弦楽組曲第2番は期待したほどの演奏ではなかった。

弦楽合奏に通奏低音としてチェンバロを加えているが、曲全体の解釈がややロマンティックでフルート・ソロもそれほど巧くない。

オーケストラはライナー・ノーツによればウェーバーの『魔弾の射手』序曲のみUSSR SOの表示があるので、この曲はソヴィエト国立交響楽団らしいが、その他はレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団とのモノラル録音で、バッハは擬似ステレオ化されている。

このバッハとウェーバーの『魔弾の射手』の2曲は演奏終了後に拍手喝采が入っているライヴでそれ以外の総てがセッション録音ということになる。

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classicalmusic at 00:23コメント(0)ムラヴィンスキー  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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