2017年07月09日

ジュリーニ&フィレンツェ5月祭のベートーヴェン:『エグモント』序曲/交響曲第7番


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カルロ・マリア・ジュリーニは1956年にミラノ・スカラ座の芸術監督の職を離れた以降イタリアのオーケストラとは比較的疎遠になったが、それでも彼が客演指揮者として振った興味深い演奏が少なからず遺されている。

このCDに収録された2曲のベートーヴェンは彼の円熟期70歳の1984年にフィレンツェ5月祭管弦楽団を指揮したライヴになる。

彼らはシーズン中にフィレンツェのオペラ劇場テアトロ・コムナーレのピットに入る楽団で、ヨーロッパの伝統的オーケストラの格から言えば二流止まりだが、ジュリーニはそれぞれのオーケストラが持っている個性と長所を巧みに引き出す術を知っていた。

この演奏では劇場作品に精通したオーケストラらしく2曲とも良い意味での劇場的表現力とその融通性が発揮されている。

『エグモント』序曲ではストーリーからイメージされる重圧感よりもシンフォニックなオーケストレーションの思い切った対比の変化で聴かせているし、交響曲第7番ではジュリーニの鷹揚なテンポ感から導き出される豪快なダイナミズムと開放的なパワーが引き出されている。

また第2楽章では、ベートーヴェンにしては意外なほどリリカルで瑞々しいカンタービレが美しい。

終楽章ではエネルギッシュなフィナーレに、イタリアのオペラ・ハウスらしい怒号のような歓声と拍手喝采が浴びせられている。

オーケストラは1928年に指揮者、ヴィットーリオ・グイによって設立され、1933年からは彼が創設したフィレンツェ5月祭の名を冠することになった。

このフェスティバルは現在ヨーロッパの重要な芸術的イヴェントとして古典から新作までの演劇、オペラ、バレエなどの劇場作品を中心に更にコンサートにも多彩なプログラムを組んだ上演期間が定着している。

彼らは当初オペラのレパートリーをデッカやドイツ・グラモフォンに録音していたが、当時のイタリア・オペラ黄金期と重なったためにテバルディ、シミオナート、ビョルリンクやバスティアニーニなどの名歌手との協演でも名盤をものしている。

近年は独自のレーベル「オペラ・ディ・フィレンツェ」を立ち上げてライヴ録音のCDをリリースしている。

オン・マイクで採音された良好な音質で、音場が近いためにかなりの臨場感も得られている。

幸い演奏終了後の拍手と楽章間のごく僅かなノイズ以外には演奏中の客席からの雑音は殆んど聞こえないが、ティンパニがややアンバランスに響き過ぎていて、これはミキシングの問題と思われる。

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classicalmusic at 00:21コメント(0)ベートーヴェン | ジュリーニ 

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